安全で楽しい登山を目指して

80 第3編 登山の技術と知識を身に付けよう 1. 低体温症は一年中発生する。天気が良くても発生する。メカニズムを理解して予防する。 2. 「食べる」「隔離」「保温」「加温」体温を回復させる4箇条,予防と処置に有効。 3. 低体温症はいつ始まったか分かりにくく,かかったことにも気づきにくい。チームで予防と早期発見を 行う。 4. 中度以上は死の危険がある。直ちに救助要請し,「隔離」「保温」「加温」を行う。意識がなくなっても死 ぬまでに時間があるのも低体温症だ。 ※準備するもの :「登山の医学(登山部報に掲載)」をご用意下さい。 (1)メカニズムを知り,予防できる病気であること を理解させる ア 熱を失うメカニズム ▶指導のポイント 上記のメカニズムは山の中でどういう場合を指す のか,考えてみよう 蒸発:汗や呼吸から熱が逃げる 放射:じっとしていても体温が逃げていく 対流:風が吹くことで体温が奪われる 伝道:接触するものに熱が奪われる ↓ 「風に吹かれる」 「雨や汗で濡れる」 「汗をかく」 「息が上がる」 これらは,体温を失う行動であることを理解させる。 体温は,意識していない行動の中で,喪失されてい る。 イ 熱を作るメカニズム 体温は,筋肉の運動で作られる。 (ア)震え 体が震え出すのは,筋肉が小刻みな運動をして,体 温を作り出そうとする証拠。震えが始まったら,内臓 の温度が下がり始めたことを意味している。要注意の サインだが,今なら助かるタイミングでもある。 (イ)運動 夏に運動すると熱中症になることがある。これは, 運動によって体温が上がり,体がオーバーヒートする からである。一方,寒いときには,体を動かすと体が 温まる。運動は,体温を上げる役割がある。 (ウ)食べる (ア)(イ)にあるように,筋肉を使うことは熱を発 生することがわかった。しかし,筋肉運動には,カロ リーを使う。体エネルギーを燃やすことで,熱を作る ことができる。「食べる」ことは,体温を上げる重要 な役割を担う。 カロリーが不足すると,体温が上がらない。「シャ リバテ」は,低体温症のリスクである。 4 低体温症 第3編 登山の技術と知識を身に付けよう 第7章 登山の医学 第7章 登山の医学 4 低体温症 1. 低体温症は一年中発生する。天気が良くても発生する。メカニズムを理解して予防する。 2. 「食べる」「隔離」「保温」「加温」体温を回復させる4箇条、予防と処置に有効。 3. 低体温症はいつ始まったか分かりにくく、かかったことにも気づきにくい。チームで予防と早期発見 を行う。 4. 中度以上は死の危険がある。直ちに救助要請し、「隔離」「保温」「加温」を行う。意識がなくなって も死ぬまでに時間があるのも低体温症だ。 ※準備するもの: 「登山の医学(登山部報)」 https://sangakui.jp/ よりダウンロード可能 1. メカニズムを知り、予防できる病気であること を理解させる (1) 熱を失うメカニズム イラスト:佐藤こずえ (2)熱を作るメカニズム 体温は、筋肉の運動で作られる。 イラスト:佐藤こずえ、フリー素材 ア. 震え 体が震え出すのは、筋肉が小刻みな運動をし て、体温を作り出そうとする証拠。震えが始 まったら、内臓の温度が下がり始めたことを 意味している。要注意のサインだが、今なら 助かるタイミングでもある。 イ. 運動 夏に運動すると熱中症になることがある。こ れは。運動によって体温が上がり、体がオー バーヒートするからである。一方、寒いとき には、体を動かすと体が温まる。運動は、体 温を上げる役割がある。 ウ. 食べる ア.イ. にあるように、筋肉を使うことは熱 を発生することがわかった。しかし、筋肉運 動には、カロリーを使う。体エネルギーを燃 指導のポイント 上記のメカニズムは山の中でどういう場合を指 すのか、考えてみよう 蒸発:汗や呼吸から熱が逃げる 放射:じっとしていても体温が逃げていく 対流:風が吹くことで体温が奪われる 伝道:接触するものに熱が奪われる ↓ 「風に吹かれる」 「雨や汗で濡れる」 「汗をかく」 「息が上がる」 これらは、体温を失う行動であることを理解させ る。体温は、意識していない行動の中で、喪失さ れている。 第3編 登山の技術と知識を身に付けよう 第7章 登山の医学 第7章 登山の医学 4 低体温症 1. 低体温症は一年中発生する。天気が良くても発生する。メカニズムを理解して予防する。 2. 「食べる」「隔離」「保温」「加温」体温を回復させる4箇条、予防と処置に有効。 3. 低体温症はいつ始まったか分かりにくく、かかったことにも気づきにくい。チームで予防と早期発見 を行う。 4. 中度以上は死の危険がある。直ちに救助要請し、「隔離」「保温」「加温」を行う。意識がなくなって も死ぬまでに時間があるのも低体温症だ。 ※準備するもの: 「登山の医学(登山部報)」 https://sangakui.jp/ よりダウンロード可能 1. メカニズムを知り、予防できる病気であること を理解させる (1) 熱を失うメカニズム イラスト:佐藤こずえ (2)熱を作るメカニズム 体温は、筋肉の運動で作られる。 イラスト:佐藤こずえ、フリー素材 ア. 震え 体が震え出すのは、筋肉が小刻みな運動をし て、体温を作り出そうとする証拠。震えが始 まったら、内臓の温度が下がり始めたことを 意味している。要注意のサインだが、今なら 助かるタイミングでもある。 イ. 運動 夏に運動すると熱中症になることがある。こ れは。運動によって体温が上がり、体がオー バーヒートするからである。一方、寒いとき には、体を動かすと体が温まる。運動は、体 温を上げる役割がある。 ウ. 食べる ア.イ. にあるように、筋肉を使うことは熱 を発生することがわかった。しかし、筋肉運 動には、カロリーを使う。体エネルギーを燃 指導のポイント 上記のメカニズムは山の中でどういう場合を指 すのか、考えてみよう 蒸発:汗や呼吸から熱が逃げる 「風に吹かれる」 「雨や汗で濡れる」 「汗をかく」 「息が上がる」 これらは、体温を失う行動であることを理解させ る。体温は、意識していない行動の中で、喪失さ れている。

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