安全で楽しい登山を目指して

68 第3編 登山の技術と知識を身に付けよう 1.通報要領〜「山岳遭難です」110 番や 119 番の相手は山の地形に詳しいとは限らない 2.直接通報〜当事者は「大ごとにしたくない」という意識から,通報が遅れがち 3.登山届から救助隊が得る情報〜遭難パーティーの対応力を推測 4.救助隊に気づいてもらう方法〜視覚,聴覚,電話 5.ヘリコプター接近時〜ダウンウォッシュ,メインローター,テールローターに注意 2 救助要請 (1)通報要領 ア 通報の流れ 第3編 登山の技術と知識を身に付けよう 第5章 危急時対策 第5章 危急時対策 3 救助要請 1. 通報要領〜「山岳遭難です」110番や119番の相手は山の地形に詳しいとは限らない。 2. 直接通報〜当事者は「大ごとにしたくない」という意識から、通報が遅れがち。 3. 登山届から救助隊が得る情報〜遭難パーティーの対応力を推測。 4. 救助隊に気づいてもらう方法〜視覚、聴覚、電話 5. ヘリコプター接近時〜ダウンウオッシュ、メインローター、テールローターに注意 1. 通報要領 (1) 通報の流れ (2)優先して伝えること。 - 山岳遭難であること - どこで(場所) - どんな状況で 2. 直接通報 遭難が発生した時に、学校に相談してから救助要 請をすると救助開始が遅れる。 携帯電話のバッテリーが消耗してからの通報は、 途中で電源切れとなる恐れがある。 ヘリコプターは、基本的に日の出から日没までが 活動可能時間。 また、現場に居ない人からの通報では、正しい情 報が聞き取れない。 遭難現場にいる引率責任者の判断で直ちに救助 要請をすること。 3. 登山届から救助隊が得る情報 担当部署では、通報内容と登山届の内容を確認し て、持物やメンバー構成等から遭難者等がビバー クできるか、体力は持つか、傷病の状態を悪化さ せずに待機できるか、などの状況を推測する。 [ワンポイントアドバイス] 山は電波が不安定。通信が突然途切れる可 能性がある。 最も大事な情報は、「場所」。携帯電話の位 置情報(GPS)をON にして通報する。GPS の 緯度・経度を伝えても良い。 バッテリーは温存。懐で温め、電話は救助 隊とのみ使用する。 (例) 「山岳遭難です」 「○○山△コースの標高1400m」 「17 歳の男子生徒が転倒して右足首を 負傷して動けない状況です。救助をお願 いします。」 イ 優先して伝えること。 ・山岳遭難であること ・どこで(場所) ・どんな状況で (例) 「山岳遭難です」 「○○山△コースの標高 1,400m」 「17 歳の男子生徒が転倒して右足首を負傷して 動けない状況です。救助をお願いします。」 ワンポイントアドバイス ▶山は電波が不安定。通信が突然途切れる可能性 がある。 ▶最も大事な情報は,「場所」。携帯電話の位置情 報(GPS)を ON にして通報する。GPS の緯度・ 経度を伝えても良い。 ▶バッテリーは温存。懐で温め,電話は救助隊と のみ使用する。 (2)直接通報 遭難が発生した時に,学校に相談してから救助要請 をすると救助開始が遅れる。 携帯電話のバッテリーが消耗してからの通報は,途 中で電源切れとなる恐れがある。 ヘリコプターは,基本的に日の出から日没までが活 動可能時間。 また,現場にいない人からの通報では,正しい情報 が聞き取れない。 遭難現場にいる引率責任者の判断で直ちに救助要請 をすること。 第3編 登山の技術と知識を身に付けよう 第5章 危急時対策 第5章 危急時対策 3 救助要請 1. 通報要領〜「山岳遭難です」110番や119番の相手は山の地形に詳しいとは限らない。 2. 直接通報〜当事者は「大ごとにしたくない」という意識から、通報が遅れがち。 3. 登山届から救助隊が得る情報〜遭難パーティーの対応力を推測。 4. 救助隊に気づいてもらう方法〜視覚、聴覚、電話 5. ヘリコプター接近時〜ダウンウオッシュ、メインローター、テールローターに注意 1. 通報要領 (1) 通報の流れ (2)優先して伝えること。 - 山岳遭難であること - どこで(場所) - どんな状況で 2. 直接通報 遭難が発生した時に、学校に相談してから救助要 請をすると救助開始が遅れる。 携帯電話のバッテリーが消耗してからの通報は、 途中で電源切れとなる恐れがある。 ヘリコプターは、基本的に日の出から日没までが 活動可能時間。 また、現場に居ない人からの通報では、正しい情 報が聞き取れない。 遭難現場にいる引率責任者の判断で直ちに救助 要請をすること。 3. 登山届から救助隊が得る情報 担当部署では、通報内容と登山届の内容を確認し て、持物やメンバー構成等から遭難者等がビバー クできるか、体力は持つか、傷病の状態を悪化さ せずに待機できるか、などの状況を推測する。 [ワンポイントアドバイス] 山は電波が不安定。通信が突然途切れる可 能性がある。 最も大事な情報は、「場所」。携帯電話の位 置情報(GPS)をON にして通報する。GPS の 緯度・経度を伝えても良い。 バッテリーは温存。懐で温め、電話は救助 隊とのみ使用する。 (例) 「山岳遭難です」 「○○山△コースの標高1400m」 「17 歳の男子生徒が転倒して右足首を 負傷して動けない状況です。救助をお願 いします。」 (3)登山届から救助隊が得る情報 担当部署では,通報内容と登山届の内容を確認して, 持ち物やメンバー構成等から遭難者等がビバークでき るか,体力は持つか,傷病の状態を悪化させずに待機 できるか,などの状況を推測する。

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