安全で楽しい登山を目指して

54 第3編 登山の技術と知識を身に付けよう る可能性があること,を知っていることも重要である。 徒歩道,軽車道,一車線の道路,河川 ウ 場所の様子を把握できる 場所を明確に示していないのでナヴィゲーションに は補助的にしか役立たないが,ルートがどんな場所か イメージするのに役立つ。岩や砂れき地は歩きにくさ といったリスクを知る上でも役立つ。なお,果樹園や その他の樹木畑の周囲に植生界があれば,それは現在 地を把握する手がかりになる。 土がけ,岩がけ,砂れき地,岩,あれ地, ハイマツ地,広葉樹林,針葉樹林 エ あまり役に立たない 三角点(10㎝四方の石柱であり,現地では目立たな い。見つかれば幸運だが,見つけられないことも多い), 特定地区界(大規模公園やゴルフ場の周囲の境界を示 す。何もないことも多く,目印にはなりにくい。また 道と間違えないように注意が必要である)。 ◉ヒヤリハット 記号f(特定地区界)をa(徒歩道)と間違え 分岐を確認しようとした。現在地把握の際に針 葉樹の記号から自分の周りに針葉樹があるかど うかを確認しようとした。 (5)等高線から地形を把握する ア 等高線の原理 等高線は,その名の通り同じ標高の地点を結んだ線 である。この線を同じ標高差で地図上に引くことで, 斜面の特徴やそれによって作られる地形の特徴を表す ことができる。 イ 等高線から読み取れる情報 等高線から,地形に関する以下の4点を読み取るこ とができる。②~④は風景の中でも読み取れるので, ナヴィゲーションに使うことができる。 地図上 実際 利用 ① 標高点,標 高数字,等 高線そのも の 地点の標高,地 点間の標高差 ルートの体力的 な困難度 ② 平面的なパ ターン ・尾根・谷,ピー ク,鞍部等の地 形の要素 ナヴィゲーショ ン(ルート維持, 現在地の把握) ・尾根線,谷線 の読み取り ・尾根線,谷線 の方向の変化 ・尾根・谷の配 置 ③ 等高線の間 隔 ・斜面の緩急 ・スカイライン (山の側面形状) ルートの体力的 な困難度,斜面 に伴うリスク ④ 等高線の方 向 斜面の方向 だいたいの現在 地の把握 図3 等高線の原理と地形との関係 こぶしを地形に見立て,等高線を引いたもの。等高線は,等間 隔の等しい高さによって地形に仮想の線を引いたもの(図3左上) を真上からみたものである(図3右上)。等高線の形状と地形の要 素(図3下ピーク,鞍部,尾根線,谷線)が対応することを確か めよう。 【演習問題2】 地図上の点はどのような特徴を持つか,等高線から 読み取れる情報の①~④によって把握してみよう 【図4:練習問題】 演習2回答例 等高線上でないものは標高の数字は切り捨てとした。 また斜面の方向が特定できないものは、言及しない。 できる 向の変 できる る。 こう 登山届 指導の ルート 慣を付 2)先 動き できる 在地の ポイン チェ る特徴 図4 演習問題 ピーク 鞍部 谷 尾根

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