安全で楽しい登山を目指して

43 第1章 山の特徴 (3)ハチ スズメバチは,巣から一定の範囲を偵察バチが警戒 のために飛び回っている。もしスズメバチに遭遇した ら,それは近くに巣があることを意味している。偵察 バチを刺激しないように,静かに引き返す。結果とし て巣に近づくと,スズメバチは集団で襲ってくる恐れ がある。スズメバチ以外にもハチ毒はアレルゲンとし てアナフィラキシーショックを引き起こして呼吸困難 など致命的な状態になることがある。ハチに刺された ら,速やかに医療機関に移す。 ▶指導のポイント ア 危険な植物は十分に観察して疑わしいものには 安易に触れないこと イ クマの生息域には踏み込まないこと。そこに仕 方なく近づきそうな時にはクマ鈴などで人が近く にいることを知らせること ウ ハチをルート上で見つけたらルートを変更する こと 4 登山のマナー 未来に美しい自然を残すために,水源やそこから続 く河川,海までの大きな循環系を守るために,山や森 を大切にする心を若いうちから育てることが大切であ る。 また,このような美しい自然が好き,自然を大切に する人たちが,お互いに気持ちよく山登りを楽しめる ように配慮することの必要性も教えてほしい。 ア 自然保護。登山道を外れない,昆虫採取をしない, 草花を摘まないこと。 イ 水場を清潔に保つ。生ごみの処理,ごみを減らす 工夫,ごみを捨てないで持ち帰ること。(テント付 近も登山中も) ウ トイレのルールを守る,トイレットペーパーや分 別,携帯トイレの利用なども守ること。 エ 動物にエサを与えない。シカやイノシシ柵を閉め ること。 オ テントは原則として指定地で張ること。 カ テント場で大声,大きな歌声,大きな音量のラジ オなどの騒音を出さない。特に早い時間に就寝の人 もいることにも配慮すること。 キ 道の譲り合いと待つ場所にも,落石,転落などの ないように注意すること。 ク 通行の妨げにならないような,安全な場所で休憩 すること。 ケ 地図などを見ながらの歩行,おしゃべりに夢中に なること,音楽をイヤホンなどで聞きながら,携帯 電子機器などを見ながら,などの歩行をしないこと。 コ 落石などは大声で知らせること。 (北村憲彦)

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