安全で楽しい登山を目指して

187 資料3 6 ・ 気象情報の入手と天候の観察に基づく的確な判断が、状況に応じた適正な行動や危 機管理につながる。 ・ 現在では、気象庁から提供される気象情報をテレビ、ラジオに加え、携帯電話やス マートフォンのアプリケーションなどの手段により手軽に入手できる体制が整ってお り、事故当日も気象情報を的確に把握していれば、本件事故を回避することも可能で あったと推測される。 ・ 本件講習会の講師等がそうであったように、雪崩注意報を軽視する傾向もあるが、 発令に至った経緯と意味する内容を十分に尊重して対策を講ずることが必要であり、 積雪期に登山等の野外活動を行う場合は、リーダーや参加者が積雪や雪崩に関する基 本的な知識を持ち、野外での実習経験を有していることが望まれる。 ・ 積雪期に登山等の活動を行う場合は、山域における地形、積雪量、雪質などのリス ク要因を分析、評価し、あらかじめ対策について計画しておくことが必要である。 ・ 講習会は一般の登山と比べると事前に安全上の措置を講ずることも可能であるが、 未成年の生徒を参加者としており、知識、技術及び判断力は十分といえないことから、 講習会本部や講師は自然環境下に内在する危険性について認識し、いかなる場合も安 全を最優先させなければならない。 ・ 講習会実施時には、緊急事案発生時において迅速に対応できるよう、警察・消防等 への支援要請を含めた緊急連絡体制を整備する必要がある。 ・ 組織体制を構築するには、それぞれの役割分担が明確にされた上で、講師や引率者 の上部組織となる本部体制が整備されていることが必要である。 ・ 各班の行動や収集した情報を共有するためには、通信手段は不可欠であり、講習会 等の規模にかかわらず、通信機器の携行と不具合時(不感地帯、機器故障等)の対策 についてもまとめておく必要がある。 ・ 深刻な事故が発生した場合であっても、適切な対応ができるよう準備する必要があ るが、何よりも優先させるべきことは自身の身を守ることある。安全を確保しながら セルフレスキューに当たることが重要であり、災害時における活動は、安全に裏打ち されたものでなくてはならない。 3 気象遭難等の登山事故防止のための連絡体制

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