安全で楽しい登山を目指して

176 参考資料 通じて、登山指導者の育成を図ること。 また、各国公立大学法人附属、市町村立及び株式会社立の高等学校等においては、 高校生等が参加する登山計画について、所在する都道府県の教育委員会、私立学校 主管部局及び各都道府県高体連等と連携するなどして、地元の山岳関係団体や登山 専門家の助言を求めること。 ④校長及び保護者の了解を得ること 冬山登山の登山計画を作成する者(部活動顧問教員又は各都道府県高体連関係者 等)は、適切な獲得目標を設定し、必ず事前に可能性のある行動範囲と行動内容、 荒天時の変更案などを盛り込んだ登山計画等を示し、参加する高校生等の校長及び 保護者の了解を得ること。 ⑤生徒への事前指導を実施すること 各学校において、登山部等の指導者は登山計画の内容、留意すべき点、持ち物等に ついて確認するとともに、考えられるリスク(危険)や対策等についても事前に指導 しておくこと。併せて、日頃の部活動の中で、冬山登山に必要な基礎的な知識、技術 等に加えて、冬山登山の多様なリスクや安全確保についても指導しておくこと。 3)実施上の留意点 ①計画段階 ○主催者の役割の明確化と関係者との連携 ・冬山登山の計画作成に当たっては、学校、各都道府県高体連及び教育委員会の責 任と役割を明確にし、関係者間で密接に連携を図ること。 ・計画は事前に関係者間で打合せをするなど認識の共有を図ること。 ○計画の企画立案、原案作成 ・主催者は、参加者の希望する内容を把握し、この活動による獲得目標も明確にす ること。それに基づいて、全体としての活動目的を明確化し、参加者の体力や技 術に応じた計画とすること。 ・主催者は、目的等や地形・気象情報等の事前調査を踏まえた活動場所を選定し、 必ず下見を行うこと。 ・様々な事態に備え、必ず荒天時の計画も作成すること。 ○生徒の事前学習、保護者の承諾、保険加入 ・主催者は、生徒が事前に活動内容等(気象の基礎知識、雪崩等の遭難対策を含む ことが望ましい)について学習する機会を設けること。事前に保護者に登山計画 等を示し、承諾を得ること。すべての参加者は山岳保険に必ず加入すること。 ○危機管理体制の確立 ・主催者は、事故発生時対応マニュアルや緊急連絡先を作成し、緊急時に速やかに 対応可能な組織、通信手段、関係機関との協力体制を入山前に構築しておくこと。 ○装備品 ・主催者は、必要な装備品等(個人及び共同の装備品、食糧、通信機器等)を確保し、 事前にその使用方法等について習熟しておくこと。 ・教育委員会及び各都道府県高体連登山専門部は、必要に応じて、装備品等を貸し 出すなどの支援方策も検討すること。 4

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