安全で楽しい登山を目指して

174 参考資料 (2)高校生等の冬山登山の原則禁止について 本有識者会議においては、高校生等の冬山登山の実施について、上記のことを踏まえ、 4回にわたり審議した結果、以下のとおり、原則として禁止する旨の基本的な方針を示 すとともに、あわせて、例外的に実施する場合の条件や留意点等を取りまとめた。 1)基本的な方針 ①冬山登山の原則禁止 高校生等については、総合的な登山経験が不足しているだけでなく、厳しい環境 での登山における技術、体力、リスクマネジメント能力等が不十分であるため、冬 山における安全を確保することは極めて難しいので、引き続き、原則として冬山登 山は行わないこと。 冬山登山とは、主に積雪期における登山とするが、時期に関わらず、気温の変化 や降雪、積雪等の気象条件による凍結、吹雪、雪崩等に伴う転滑落、埋没、凍傷、 低体温症などの遭難事故が発生する可能性のある環境下で行う活動のことをいう。 なお、これには各都道府県高体連登山専門部等が主催する講習会等も含むが、スキ ー場のコース内におけるスノースポーツ(*3)を除く。 *3.スノースポーツとは、スキー、スノーボード、チェアスキーその他の雪上のスポーツや遊びのこと ②実施上の条件や留意点等 高校生等の登山の教育的意義の観点から、例外的に冬山登山を実施する場合には、 学校の管理下のもと保護者の了解を得て、冬山でリーダーシップを取れる指導者の 確保など、安全な実施に必要な条件を整えた上で、登頂を目的とはしないで技術や 体験面における明確な獲得目標を定め、その目標を生徒が実現しうるために適切か つ安全な場所を選定し、飽くまでも安全登山の基礎となる内容にとどめること。 また、実施に当たっては、下見や準備を十分にして、事前に各地域の登山計画審 査会(仮称)などで承認された計画であることを確認し、生徒への事前指導を行う こと。もし予定した通りに行動できないと判断される場合には、即座に行動を一旦 停止、状況を冷静に観察・検討・相談すること。その上で、場合によっては実施を 見合わせること。 このように例外的に冬山登山を実施する場合には、下記2)実施するために必要 な条件等及び3)実施上の留意点を踏まえて、安全対策に最大限配慮して実施する こと。 なお、高等学校等や各都道府県高体連登山専門部以外の団体が主催する高校生等 が参加する冬山登山についても上記に準じて実施するよう、スポーツ庁は山岳関係 団体(全国組織)に、各都道府県教育委員会は域内の山岳関係団体に対して周知す ること。また、各高等学校等に対しては、各所管の機関から確実に周知すること。 2

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