安全で楽しい登山を目指して

139 第1章 初級演習 (2) ① 聞き取ること:当日の排尿回数,飲水量,食事の摂取状況,意識が正常か(会話しながら判断) 測定する項目:脈拍数,呼吸数,体温 ② 熱中症を疑う状況である。意識が正常であれば,中等症(熱疲労)である。現時点では命の危険が高まる 重症(熱射病)ではないことを見極めることが大事。 まずその場で日陰に移動。経口補水液を2L程度飲ませ,横たわらせて足をザックに載せて高くする。衣 服を緩めて扇ぐ。30 分後に体温を再測定するなどして状態を確認する。 ・処置中に状態が悪くなった。→ 30分待たずに救助要請して早く病院に搬送する。 ・経口補水液がほとんど飲めない。→ 救助要請して早く病院に搬送する。 ・回復しない。→ 救助要請して早く病院に搬送する。 ・回復傾向。→ 同じルートを介添え下山する。荷物は持たせない。一人にさせない。 ・回復した場合。→ 既に体力を消耗しており,この日は体温を上げる行動は禁止。「回復傾向」に準じた方 法で下山。 (大城和恵)

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