JARCLIVE6

42 今や、過剰な期待に対する幻滅期 に突入しています。残念ながら宿泊 業界はテクノロジーに対してかなり遅 れていると感じます。“ 人間に代わり AI でレベニューマネージャーを育てま しょう”と売り込んでいる企業がありま したが、AI は環境の変化に応じた柔 軟な対応はできません。 AI レベニューの普及は困難 宿泊料金を操作するための AIレ ベニューは普及されていません。周 辺のホテル情報の抽出はできますが、 AIが宿泊価格を明確に打ち出せない のです。もし、市場や環境の変化、 例えば近隣に新たなホテルが開業し たなど、取り巻く環境の変化に対して しっかりアジャストできる人材が、設 定されたルールを逐次調整すれば可 能かもしれませんが、人件費を考える と生産性を上げることはできません。 ホテルや旅館などの宿泊施設を管 理するシステムとして、PMSを導入 されている施設が増えています。あく までも宿泊担当者の、現場のための システムです。特に外資系企業の PMSは宴会まで包括的に管理する ことはできません。なぜなら海外のホ テルでは宴会部門がありませんので、 PMSも宿泊に特化したものとなって るからです。 契約時に契約書をしっかり読むこと をお勧めします。例えば「いつまでに」 という期日が記載されていない契約 書にサインした場合、依頼をされても “100 年後かもしれません ”というよう 1990 年初期、理解されない コンピュータ開発 現在、テクノロジーは第三次世代 です。2000 年ごろからインターネット の普及に伴い、テクノロジーの世界 は急速に進歩しました。私が NEC でコンピューター開発に携わっていた 1991 年ごろは、ある意味、この分 野にかかわっているのは変わり者と言 われていた時代です。ところが今はさ まざまな業種で最先端のテクノロジー を活かした情報収集や業務の効率 化、生産性向上が求められるように なりました。 最近では人工頭脳、AI が注目さ れ、ホテル業界でもロボットが人間に 代わりフロント業務を行なうなど、話 題として注目されました。しかしながら、 AI はAIを生み出すことはできません。 AIが人間の代わりになることはないの です。例えば、『変なホテル』はあ る種、エンターテインメントの1つとし てフロント業務でロボットを導入しまし た。 マネしてフロント業務のロボット化を 考えたホテルもあったことでしょうが、 ロボットには自身で考える力はありませ んので、「変なホテル」はロボットを 正確に動かすためにインフラを調整し ているのです。ほんの少しでもずれた ら行動を起こすことができないからで す。AI が出始めたころはAI に対す る期待が高かったのですが、人工頭 脳は決められた形しかできません。 あるホテルの経営者が “これから はAI の時代だ ”と語っていましたが、 な回答が返ってきたりします。 PMS にはプロダクト型とソリュー ション型があります。前者は決められ たシートに入力するもの、後者は利 用ホテルごとに独自のカスタマイズを 施し、幅広い機能を提供するもので す。 現場が使いやすいPMSの選択を PMS はあくまでもPMS であり、 PMSが良くなることはありません。ど この企業が提供しているPMSが自 分たちのホテル合っているのかを、お 客さまの属性や年間の宿泊稼働など を考慮して、現場が使いやすいもの を選択することが不可欠です。 シティやリゾート、旅館など、それ ぞれの環境や業態で得意なPMSな どさまざまありますので、まずはシステ ムのことをよく理解していただき、生 産性向上のために有効的なものを選 択してほしいと思います。 ~世界1500人を対象に 正解率90%以上の絵文字を採用~ 小林武嗣氏 C&RM株式会社 代表取締役社長 第 19 回 JARCゼミナール 「最新テクノロジーを生かして生産性向上に生かす」 JARC SEMINAR アレルギー特定原材料と宗教になどにより 食せない 14 品目を絵文字化 「最新テクノロジー 理解して 生産性向上に活かす」 A I は A I を生み出せず 2019 年 9 月5日(木)

RkJQdWJsaXNoZXIy NDU4ODgz