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JARC LIVE 43 いのですが、本質をよく理解し、英語 で表現すると実に明解になるのです。 英語では表現できない「悟り」 ところが「悟り」は和英辞典で調 べていただくと分かりますが、英語 では表現できません。それは特別な 言葉で表現できないものだからです。 悟ったお釈迦様はその内容を5日間 黙っていたのです。それは言葉に表 現できないものだからでした。実は言 葉のコミュニケーションは7％に過ぎ ず、多くは視覚や聴覚から判断します。 つまり、言葉で伝えることはとても難し いことから、お釈迦様はその悟りを黙っ ていたのです。 しかし弟子たちからぜひ伝えてほし いと言われ、お釈迦様が瞑想して得 た心理「四諦」を説きました。「苦諦」 「集諦」「減諦」「道諦」という４つ の心理を指し、人生は苦しみに満ち ており、その原因である煩悩をなくす ことが理想だと説かれました。そして 苦しみを滅ぼせる「八正道」には正見・ 正命・正思・正精進・正語・正念・ 正業・正定にて実践すべきことが導 かれています。 ところが基本的なことは言葉で理解 しても、実践することはとても難しいも のです。それは“ 物事は思い通りにな らない ”という真実を理解できない「煩 悩」があるからです。煩悩は英語では 「impure」や「designer」ですが、 私は「blind passion（ブランドパッショ ン）、見えない気持ち」と表現しました。 煩悩はどこまでいっても自己中心に計 宗教と聞くと皆さん “ 怪しい ”とか “ 不思議な力が見える”と思われたり、 仏教はどことなく暗いイメージを持たれ ている方が多くいらっしゃると思いま す。そもそも宗教という言葉は、日本 においては1983 年全世界から参集 した「万国宗教会議」に端を発した ため、歴史的にも宗教という言葉そ のものになじみがなく、正しく理解され ていないというのが実状です。 では仏教とは何かと言うと、離れた 神と人間をくっつけること、つまり神 と人間との約束という二元性であり、 人間が仏になっていくための生き方を 修業するものなのです。仏教には禅 宗や日蓮宗、そして私が信仰してい る浄土真宗などさまざまな宗派があり ますが、どの宗派も目指している頂 上は同じなのですが、その登り方が 異なるというものです。一直線に登っ ていく教え、回遊しながら登っていく 教えなどさまざまです。仏とは仏陀を 指し、仏陀とは覚者を意味します。 覚者は世の中の法則や自然の規則 を知り、皆に教え、導くことができる 者を指し、つまり紀元前に生没した 覚者であるお釈迦様のように仏にな るための道を説いているのが仏教な のです。 私は宗教を学ぶために留学したとき に、学友たちとよく英語で議論しました。 そのときに仏教を英文で表現した方 が分かりやすいことに気がついたので す。仏教は本来インド語ですが、仏 教を浸透させるためにインド語から感じ た音感を漢字に充てたものです。その ために日本語ではなかなか理解しにく 算することにあり、自分だけの都合の 良いものさしで思い込み、苦しみ、と きには人を恨み欺いたりします。自分 の思い通りにならないという真実を知 らなければ、煩悩を拭い去ることはで きないのです。 また、一瞬といえども存在は同一性 を保持することができないことを意味 する「諸行無常」という仏教用語が あります。人生は永遠ではなく、何一 つとして１つで存在することはありませ ん。例えばペンも材料があるから存在 しています。すべてが依存しあい生き ていきためには、すべての現象が常 ではないことを理解することが大切で す。つまり「諸行無常」という言葉 を英語で表現すると「Everything is Changing」であり、Everything の 中に自分自身も入っているということな のです。 仏教の教えは難解だと思われがちで すが、このように英語だと単純明快で 理解しやすいのではないのでしょうか。 ～世界1500人を対象に 正解率90％以上の絵文字を採用～ 大來 尚順氏 浄土真宗本願寺派 大見山 超勝寺　僧侶 第 20 回　JARCゼミナール「カンタン英語でブッダ」 JARC SEMINAR アレルギー特定原材料と宗教になどにより 食せない 14 品目を絵文字化 諸行無常は自分も含めた Everything is Changingにあり 煩悩とは自分だけに都合の良い 見えない気持ち「blind passion」 2019 年 10 月21日（月）

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