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JARC LIVE 39 すラグジュアリーリゾートの趣をミックスさせる……。このバ ランスは微妙です。溶け込み過ぎも、尖り過ぎもよくない。 ただ海外リゾート、特にスリランカでの展開にはインフィニ ティプールとルーフトップバーは、必ず設けたいと考えてい ます。このふたつの要素は、リゾートにラグジュアリー感を 漂わせてくれる重要なファシリティだと思っているので。 風土にあった素材を使って施設を作り、そこにラグジュ アリーフレーバーを落とし込む。強いて言えば、それが海 外リゾート戦略におけるポイントではないでしょうか。もちろ んサービスもその風土や国の文化を活かしたものでなくて はならないと思っています。 ◯風土とラグジュアリーを融合させることができ、そ の土地のサービスが提供できる国、という観点で選ん だのが、展開されているモルディブとスリランカという ことなのですね。 海外リゾート事業の先発はモルディブからでした。モル ディブはデスティネーションとしての完成度が髙い国でした ので、競争も激しい。そこでリゾートマネジメントの巧者で あるマリオットグループに運営を委託し【ウェスティン】ブラ ンドで展開することにして、2018 年にオープンさせました。 約 6 万平方メートルの島に70 棟のヴィラを持つオーシャン リゾートです。顧客の顔ぶれは欧州、アジアのラグジュア リー層が主で、ブランドの集客力もありますが、しっかりし たサービスを支持してくれるリピーターも多いリゾートになっ ています。 一方スリランカは私どものブランドである“ルグラン”を 冠し、世界遺産:ゴール旧市街地の真横に位置する【ル グランゴール】をオープンさせ、また今年 12月にはスリラ ンカの首都コロンボに、こちらも弊社のブランド“グランベ ル”シリーズのひとつとして【コロンボ グランベル ホテル】 を開業する予定です。 ルグランゴールは57 室、コロンボグランベルホテルは 292 室と、客室数だけですと大きく開きがありますが、どち らも「スリランカにあることに意味があるリゾート」というこ とにこだわっています。 スパ、エステ、アーユルヴェーダ…… スリランカにしかない美容コンテンツを前面に ◯スリランカにあることに意味があるリゾートとは、ど ういうことなのでしょうか? まずはじめに、日本の多くの方はスリランカをリゾート・デ スティネーションとしては見てはいないと思います。1983 年 から26 年に渡り内戦が続いていた(2009 年に終結)と いう過去の影響もありますが、国交として日本と良好な関 係を築き、直行便も就航している(スリランカ航空)、そし て現地では私達がびっくりするくらい好日家の方が多いの に、イメージとしてバケーションを過ごす目的地としては見 てもらえていない。一度訪れていただくと、リゾートとして の水準は非常に高いのに、認知度が低いことで日本から 足を運ぶ方が少ないのはもったいないと感じていただける と思います。海に恵まれているのでサーフィンも有名です。 スリランカにホテル展開をすることは、実は縁があって 決定したことなのですが、弊社としてはスリランカをリゾート・ デスティネーションとして、より認知してもらいたいという思 いがあるのです。 では、スリランカの人気を高めるためにはどうしたらいい か。どこにフォーカスをすれば、他のリゾートにはない、ス リランカにしかないから足を運びたくなるファクターを作れる のかを考えたときに、弊社の女性視点を活かしてスパや エステ、そして自己治癒力の向上と予防医療を目的とす るアーユルヴェーダをメインコンテンツにして、スリランカに 行くことで体感できる女性の美容&医療ツーリズムにター ゲットを置こうと考えたわけです。 ◯なるほど、だからコロンボのリゾート展開では株式 会社クレドインターナショナルとタッグを組んで、女性 特化型の美容&医療コンテンツを充実させようと。 「コロンボ グランベル ホテルはスパ&フィットネスだけでワン フロアも設けられ、美容&医療ツーリズムに注力をしたいと お聞きしていたので、その思いに沿って弊社クレドインター ナショナルとアライアンスを組んでいただきました。我々もファ スティングを進化させた“エステプロ・ラボ”というコンテ ンツを現在推しており、日本のウェルネスマーケットに新し い風を吹き込みたいと考えていたので、このベルーナさん とのタッグは、いろいろなものを提供しあい、企業力を上 げるいいチャンスになるのではないかと思っています」(株 式会社クレドインターナショナル 代表取締役 白井浩一氏 談) まずは日本からの、特に女性のツーリストの皆さんに足 を運んでいただきたいと思っています。そこでのラグジュア リー体験やビューティ&ウェルネス体験によって、こんない いものならまた来たいというリピーターを生み続ければ、リ ゾート・デスティネーションとしてはまだまだブルーオーシャ ンであるスリランカを、もっと盛り上げられると信じています。 日本国内のライフスタイルホテル事業での順調な成長曲線 に満足することなく、新たなデスティネーション開拓までも その触手を伸ばす総合通販の巨人は、一体どこまで走っ ていくのだろうか。これからも目が離せないトップランナー であることは間違いない。 ルグランゴール ウェスティン・モルディブ・ミリアンドゥーリゾート コロンボグランベルホテル

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