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JARC LIVE 35 2 10年で海外50カ所の開発目指す 日本のおもてなしやぬくもりを体感できる 旅行総合プロデュースに着手 『健康的な暮らしの提供』を理念に 2019 年 1 月、日本法人を設立したのが中国・安徽省に本社を構えるサンリバー ホールディングス(祥源控股)だ。中国ミドル層のファミリー旅行と休日体験の総合プロデュース、観光事業やリゾー ト開発に向けた投資を主要業務としている。日本においては「君子の道は、闇然にして而も日に章かなり」をモットー に、在日中国人や日本人を対象に日本の本来のおもてなしの心に触れる旅行の総合プロデュースを手掛けていく。 青山 英明氏 サンリバーホールディングス 日本法人 日本区域代表 https://www.sunriver.cn/ E-Mail:qingshanyingming@sunriver.cn 会員ZOOM UP 年間観光客 400 万人超える街づくり実現 サンリバーホールディングスは自他共栄・相互補完・ 相互成長を掲げ、中国ミドル層のファミリーを軸にリゾー ト開発、カルチャー、観光事業への投資を主要業務と するホールディングカンパニーとして28 年間運営してい る。中国の企業で約 30 年継続する企業は少ないと言 われているが、その背景にはオーナー社長を含めた複数 名の幹部による客観的な判断で投資案件について判断 を下していることにあった。 「たとえ重役が大きな案件を提案しても投資委員会の 裁可を得なければ成立しません。この公平な判断がある からこそ、今日まで継続できているのです。」 サンリバーホールディングスのグループの総資産規模 は日本円で7300 億円を超え、従業員数は5000 人 を超え、子会社の副社長クラス以上の幹部を含めると 幹部は70 人超。コンテンツ、リゾート開発、建築・建 設の 3 部門に分かれている。これまで中国本土で年間 50 万人を超える「鳳凰古城」から年間 400 万人を超 える現存する中国最古の商業施設(湖南省)など、魅 力的なエリアや街の開発による観光客の誘致を行なって いる。中国にとどまらず、カナダ・バンクーバーやオース トラリアなど海外における開発にも注視している。 日本においては単に温泉や観光だけではなく、日本の 本来のおもてなしの素晴らしさを体感できる観光開発に 向けて動き出した。さまざまな要因で変動する外国人観 光客ではなく、まずは手堅く在日中国人 14 万人と日本 人を対象に開発を進めていく考えだ。同社の言う中間層 は年収 800 ~ 1200 万円前後、年齢的には30 代半 ばから40 代前半のファミリー層だ。日本の中間層と比 較して高額所得であるとも言える。 手堅く在日中国人・日本人対象に開発 在日中国人の旅のスタイルについて各省単位の同友 会などを通してヒアリング活動を行なった結果、東京から あまり遠くない場所で楽しみたいという声が多かった。リ ゾート地で温泉があるシンボリックな立地が理想的である という結果から、まずは手堅くそのエリアを軸に宿泊施 設、交通機関、目的となる魅力的なスポット開発などを 通して、新たな街づくり、旅づくりに取り組んでいく考えだ。 「旅館に宿泊したとき、最後まで玄関で見送ってくれる姿 は本当に日本人らしい優しさやおもてなしの心やぬくもり を感じます。モノやコトではなく心に触れられる、そんな 観光を作り上げていきたい。」 ゆくゆくは中国の中間層を対象に4泊5日の観光ルー トも作り上げていく。例えば初日は成田空港から成田山、 銀座。2日目は浅草、富士山、アウトレット、箱根。3 日目は名古屋で熱田神宮、神戸、大阪。最終日は奈良、 京都の金閣寺・銀閣寺を見学して関西国際空港から帰 国するコースだ。 「インバウンド誘致、交通、排他的な名称、トップの 宿泊施設、デパート・免税店というサイクルの中で、有形・ 無形への投資を通して、中国本部にある既存資産の付 加価値向上や日本の適切な案件投資や合弁投資を検 討しています。将来的には10 年間で日本国内を含む、 中国本土以外で50カ所の開発投資をしていきたいと思 います。理念で掲げたように “ ひと目を引くことなく、それ でいて日に日にその真価があらわれてくるもの ”を目指し て取り組んでいきます。」

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