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34 1 70ブランド約3000アイテム Made in Japanブランド限定のEC プラットフォーム「BECOS(ベコス)」展開 樫村 健太郎氏 ㈱ KAZAANA 代表取締役社長 東京都千代田区大手町 2-6-1 朝日生命大手町ビル 3F TEL:03-6260-8486 URL:http://kazaana.biz/ 会員ZOOM UP 日本には先人たちから受け継がれてきた繊細で巧みな技術による「本物」が全国各地に残されている。ところが生 活文化が変化する中で後継者問題も重なり本物の魂も風前の灯火となりつつある。この状況を打破したいと立ち上 がったのが、“業界に風穴をあける”という強い意志で挑む㈱ KAZAANA 樫村健太郎社長だ。 F2C(ファクトリー toカスタマー)の仕組み導入 KAZAANAは日本の風土や生活から生まれた職人による 伝統工芸品に込められた魂を次世代に受け継いでいきたいと いう樫村健太郎社長の熱い想いから2017年起業。Made in Japanブランド限定のECプラットフォーム「BECOS」や 日本のものづくりに迫るメディア「BECOS Journal」や動画 制作「StoryMovies」を展開。今後、多言語化を進め『、F2C (ファクトリー toカスタマー)の仕組み』で世界中に高品質・ 高単価なMade in Japanアイテムを発信していく。 特に伝統工芸品は大量生産による安価なモノがあふれ ている昨今において、消費者需要が減少している。精魂 込めて作り上げた商品も需要低迷に伴い売れない時代と なった。その一方で外国人観光客が年々増加している中で、 日本人が忘れかけていた日本ならではの繊細で高い技術力 の集大成である素晴らしい工芸品への注目度が高まってい る。しかしながら、販売に苦戦している状況から後継者問題 が随所で起きており、止む無く長年受け継がれた歴史に終 止符を打たなければならない、即ち廃業してしまった工房が 溢れている。 職人のモノづくりへの追求は果てしなく、ゴールがない。 常に真摯に向き合い、日々モノづくりに取り組んでいるもの の、営業やマーケティングが伴わない。どんなに素晴らしい 作品でも世の中に知られなければ日の目を浴びずに埋没し、 消えていく。そこでKAZAANAは職人とITを融合させ、眠っ ていたものを発掘し世に発信していくことで、収益を上げられ る工房を作り出し、売上アップと後継者問題を両輪で同時 に進めていくことが大切であると考えた。 ホテルなどラグジュアリーな施設に向けた B2B の強化 「BECOS」は2018 年 3月にわずか3ブランド30 点 ほどの出品からスタートしたが、今は70ブランド約 3000 アイテムを揃え、STREET KIMONO「VEDUTA」とい う自社アパレルブランドを展開するまでに成長した。ECに 掲載していない商品を含めると提案可能なアイテム数は数 万を超える。伝統工芸品に指定された商品に限らず、テー ブルウェアや雑貨、インテリア、ファッションなど幅広い高 品質で高単価なアイテムを取り扱っている。贈答品の悩 みに応えるコンシェルジュサービスもあり、特に法人顧客に 好評を得ているという。 「BECOS Journal」では作り手へのインタビューや製 作工程の動画を公開し、職人たちの技や真剣に取り組む 姿勢などが視覚、聴覚に訴え、購買意欲を高めるための サポートも行っている。全工程を1人の職人が作り上げる 江戸扇子、西陣織とコラボした江戸だるま、インディゴで 手染めしたストール、宮内庁御用達本革スリッパなど数々 の人気商品を生み出している。 「私たちはこれまで500を超えるものづくりメーカーや職人と 対話を重ねてきました。さまざまな問題を抱えていますが、古い 商慣習や既存の流通システムを壊し、まったく新しい仕組みを 作り出すことで、誰もなしえなかった日本の工芸業界の復活が、 我々の手で実現できると確信しています。」 今後においてはホテルなどラグジュアリーな施設に向け たB2Bの強化をしていく。例えば特別な空間で使用する 名入れスリッパ、オリジナルグッズなど、ラグジュアリーな客 室にふさわしいアイテムを提案し、ホテルのブランディング サポートに取り組む。 「将来的にはホテル客室内のTVやタブレットとBECOS を連動させ、地域ならではの商品の魅力を発信し購買に 繋げることで、ホテルの売り上げにもつながる仕組みを作 り上げていきたいと思っています。」

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