20 去年 12月７日、菅義偉官房長官は「世界レベル のホテルを50カ所程度新設することを目指す」と発 表した。これを受けてホテル業界関係者、ジャーナリ スト、現場で働くホテリエたちから様々な意見が述べ られた。多くの論客が名を連ねるFacebook 等でも 大半はネガティブな内容であった。曰く、それだけの 予算を計上するならば東日本大震災や去年秋の台風 19 号などの復興支援に充てるべきだ。ただでさえ人 手不足の昨今、語学堪能でスキルに富む国際級の 人材をどのように教育し確保するのか。勿論、これら は極めて的を得た正論であり、異論をはさむ余地は全 くない。然し、菅長官の言及した50カ所はあくまで 意気込みであり、「外国人富裕層向けのラグジュアリー ホテルが日本では不足」の部分が正に論点の核心で ある。復興予算や人材確保という数字の世界に視点 が置かれるのも分かるが、日本にとってまだなじみの 薄いハイエンドの世界観を持つ外国人富裕層に、そ ろそろ目を向ける時期に来たと思う。 世界にはジェットセッターと呼ばれる、途轍もない 大富豪が多く存在する。文字通り、自家用ジェット を使いビジネスや観光で世界のホットで興味深い国 小原 康裕氏 国際ホテルジャーナリスト 慶応義塾大学法学部法律学科卒 世界最大手ドイツ再保険会社 Munich Re 入社 株式会社 Haraken & Co., Ltd 代表取締役 CEO JHRCA 日本ホテルレストランコンサルタント協会 専務理事 SKAL International Tokyo Professionnels du Tourisme 会員 JARC 宿泊施設関連協会 アドバイザリーボードメンバー 「私の考え るラグジュ アリーホテ ルとは」
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