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18 先日、菅官房長官が「各地に世界レベルの高級ホ テルを50か所程度新設することを目指す」と宣言され たことに対して、議論が起こりました。この発言の真意 は深く、そのあとの議論が象徴するように、提案の必 要性や重要性自体がまだ国内で十分に理解されていな い気がします。だからこそ、政府の構想が必要と言える かも知れません。 なぜ今、高級ホテル構想が重要なのかを説明します。 これには主に2つの観点があります。 まず、日本の観光戦略は、2030 年までに6000万 デービッド・アトキンソン氏 株式会社小西美術工藝社 代表取 締役社長。奈良県立大学客員教 授。三田証券社外取締役。 元 ゴールドマン・サックス証券 金融調査室長。 1965 年イギリス生まれ。オックスフォード大学 ( 日本学専攻 ) 卒業後、大手コンサルタント会社や証券会社を経て、1992 年ゴール ドマン・サックス証券会社入社。大手銀行の不良債権問題をいち早く指摘し、再編の契機となった。同社取締役を経てパートナー(共 同出資者)となるが、2007年退社。2009年に創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社入社、取締役に就任。 2011 年代表取締役会長兼社長、2014 年に代表取締役社長に就任し現在に至る。1999 年に裏千家に入門し、2006 年に茶名「宗真(そ うしん)」を拝受。 2016 年財界「経営者賞」、2017 年「日英協会賞」受賞、2018 年 総務省「平成 29 年度ふるさとづくり大賞個人 表彰」、2018 年日本ファッション協会「日本文化貢献賞」受賞。著書は『新・観光立国論』(山本七平賞、不動産協会賞、東洋経済 新報社)、『新・所得倍増論』(東洋経済新報社)、『日本再生は、生産性向上しかない !』(飛鳥新社)、『世界一訪れたい日本 のつくり かた』、『新・生産性立国論』、『日本人の勝算』(以上、東洋経済新報社)、『国運の分岐点』(講談社)など多数。政府への提言を続 ける一方、各地の観光振興のため奔走し、・日本遺産審査委員、・京都国際観光大使、・明日の日本を支える観光ビジョン構想会議委員、・ 東京の観光振興を考える有識者会議委員、・行政改革会議歳出改革ワーキンググループ構成員、・迎賓館(迎賓館赤坂離宮・京都 迎 賓館)アドバイザー、・二条城特別顧問、・観光戦略実行推進タスクフォース有識者メンバ ー、・国立公園満喫プロジェクト有識者会 議検討委員、・分かりやすい多言語解説整備促進委員会委員などを務めている。 高 級 ホ テ ル の 本 質

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