なんぶの里人 Vol.1

13 59 1 8 1 9 10 14 10 18 農業 NANBU no SATOBITO !? Text = Mai Habata 高校生の頃からの夢 奥山さんの家は名前の通り山の奥。 川が流れ る家の前の川沿いにはビワやウメ の木、花や野 草が茂っている。もちろ ん畑や田んぼもあり、 まさに自然そのもの。 しかし驚くのは自然の風景だけで なく、家の 前の道を上って行ったその先。自然 の中に牛が 放たれている風景だ。もちろん柵やゲートは作っ てあるけれども、手を伸ばせば触れ られそうな くらい間近に大きな牛たちが放され ている様子 は迫力満点。今でこそこの集落で牛 を飼ってい る人は奥山さんしかい なくなってしまったが、 金山地区は昔から牛飼いが多い地 域で、集落内 で牛馬市が開かれてたくらいだ ったそう。 山家も例に漏れず牛飼いの家で、も ちろんここ で生まれ育った奥山さんの暮らしの 中には小さ い頃から牛がいた。 「高校生の頃から“牛を山に放すこと〟が夢だっ たんですよ。」 そう話す奥山さんは、役場勤めをし ながら牛 の世話をし、 歳で早期退職。退職後徐々に牛 の頭数を増やし、退職した 年後に〝牛を山に 放す〟夢を叶えのだ。また201 8年の冬に は家畜人工授精師の国家資格も取得している。 現在は親牛 頭、育成牛 頭を飼育している 〝繁殖農家〟。母牛を飼育し子を産ませる。子牛は、 生後 〜 ヶ月の頃に家畜市場の競り市に出す か、残して将来母牛にするか決める。 母牛に育てる子牛は ヶ月頃に人工受精し、 スムーズにいけばその後 ヶ月くらいで出産する。 そして生後 ヶ月頃に、和牛登録協会が検査を し、晴れ大人の仲間入りとなるの だ。ちなみ に放牧している牛は〝妊婦さん〟の みで、寒い 時期は夕方になると牛たちを牛舎に帰るよう呼び に行くが、夏場は昼夜放牧なのだとか。 のびとファームとブログ仲間 雄大で自然いっぱいの自身のフィールドを、奥 山さんは『のとファーム』と名付けている。退 職後、山の中での生活が中心となり人との繋がり が薄くなってしまうと感じた奥山さんが友人に誘 われて始めたのがブログ。『げブロ』というこ のブログの〝じげ〟とは鳥取の方言で〝地元〟と いう意味だ。 『のびとファーム』は、 このブログを通して繋がっ たじげ仲間たちの集いの場になることもあるそう だ。県内の様々なところから集まった個性溢れる メンバーが、山から採ったり持ち寄た季節食 材で野外料理をしたり、キャンプをしたりして楽 しむ。 牛がのびのび暮らし、人が集う『のびとファー ム』は、いつ訪れても魅力に溢れている場所だ。 南部町で繁殖農家を営む奥山さんの家は、こ の道で合っていたかな…と不安になるほど山 道を登った先にある。そこからさらに奥へ進 むと、森の中からひょっこり顔を出してきた のはなんと牛。奥山さんが放牧する牛たちだ。 森の中で放牧 ワイルドな牛農家 奥お く や ま 山 俊し ゅ ん じ 二さん

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