JARCLIVE7

24 徳川吉宗が生み出した漬物業「近清」 1764 年創業の漬物業近清は 8 代将軍、徳川吉宗 の財政立て直しのための規制緩和により誕生した。士 農工商制度の農工商の垣根を低くしたことにより、農民 が自分で作ったものを直接販売することが可能となり、 近江の国で米問屋を営んでいた初代清右衛門は近江 の産物を販売する直営店「近江屋」を京の地に構えた。 当時は米・野菜・味噌・醤油を運び込んで販売するだ けだったが、残り物の野菜を捨てるのはもったいないと、 ぬかや味噌に漬けて売り出したところ大当たり。これを 機に問屋を廃業し「近清」と称号新たに野菜の加工所 として 1764 年に創業した。 江戸時代に末期には西本願寺に屯所を置いて新選 組に沢庵を納めたという。当時は千切りにした沢庵をお 椀に入れお湯を注いで立って食べていたという。京都 の店舗では当時と同様の食事を提供しているため、新 選組ファンが体験のために多く訪れている。また裏話と して近清は新撰組への金貸しも行なっていた。それは 新選組のメンバーに遊びにいくための資金であると同時 に、ある意味用心棒的な役目を担ってもらうための手段 だったという。 「今でもそのときのはきちんと残っています。金銭を仲介 とした人間関係の構築で身を守る、今でいうセコムのよ うなものだったのでしょう。真実が残されたこのはこの先 も貴重なものとして受け継いでいきます」と櫻井社長は 語る。 ラップした近江出身・こうじ屋そして京都 ときは流れ、出店していた京都の百貨店の撤退とともに 受け継がれた炎の光も薄らぎ始めた。知人より近清の 運営を受け継いでいこうという話があり、半分ずつ出資 して運営を引き受けることになった。ところが 2011 年、 ~京野菜で作ったスープと生七味クッキーなど無添加キーワードに商品開発も~ 明和元年(1764)年創業、無添加・国産にこだわり続け、256 年の歴史を持つ日本最古の漬物業「近清」を切り盛りし ているのが JARC の理事を務める櫻井慎也社長だ。近江の国出身、初代清右衛門(せいうえもん)の意を継ぎ、2011 年、 200 年後超える老舗の看板を受け継ぎ、最古の漬物業の火を絶やすことなく今もなお、京の町で販売し続けている。最古 の歴史を受け継ぐ心意気、そして柔軟な発想で新たな挑戦をし続けている櫻井慎也社長にクローズアップしてみた。 『無添加・国産』にこだわり250年以上 続く、日本最古の漬物業の暖簾を継承 伝統の逸品 近清 櫻井 慎也氏 ㈱近清 代表取締役

RkJQdWJsaXNoZXIy NDU4ODgz