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24 ―はじめに tapAppli 開発の経緯をお聞かせください 30周年記念式典のときに林会長から発案された「マイホ テル・マイオペレーション、マイホテル・マイリクエスト」の言 葉を受け、アプリ構想がスタートしました。「マイホテル・マイ オペレーション」はホテルライフをお客さま自身がコントロール して過ごしやすい空間を創り出していくこと。「マイホテル・マ イリクエスト」はお客さまの要望をホテルサイドが柔軟に対応 し、お客さまが快適な時間・空間を過ごせること。 2020年末にリリースしたtapAppli は「マイホテル・マ イオペレーション」に対応するアプリとなります。当初は 2022年頃のリリースを予定していましたが、コロナウィル ス感染症対策として非接触が求められたことから、アプリ が実現できればホテル・お客さま双方に安全・安心を与え ることできると考え、急ピッチで開発を進めました。 記念式典が開催された2017年頃はフロントでの自動精 算機が普及し始めたころであったこと、スマートフォンの普 及率からみても、アプリ開発は有効であると思いました。 ―アプリを開発する難しさはどこにあるのですか アプリの開発だけでは完結できないということです。アプ リはPMSとの連携だけでなく、他社のシステムや機器と 連携して1つのコンテンツが完成します。今回はコロナ対 策を意識し、カードメーカーとの連携により、除菌処理でき るカードキー発行機の開発も同時進行で進めていきました ので、アプリ開発と並行して他社との連携も図っていかな ければなりませんでした。混雑状況の把握についても、人 感センサー機器と連携して1つのコンテンツが完成していま す。また、アプリ開発は完成がなく、常にブラッシュアップ しながら継続利用いただけるように品質を維持していかなけ ればなりません。 スマートフォンのバージョン適用やホテル・お客さまのニー ズにお応えできるようなコンテンツの作成が今後も必要とな ります。 ―tapAppli のポイントをお聞かせください。 お客さま自身のスマートフォンでルームアサインやレジカー ド記帳、チェックイン、チェックアウトまでアプリで完結で き、ホテル側はフロントで取り組んでいた作業が効率化で きます。このことにより、フロントの混雑緩和やホテルスタッ フ・お客さま双方が触れる機器への低減化を図ることができ、 「安全・安心・清潔・エコ・コンビニエンス」が体感でき ます。コロナ禍ではアプリの利便性が分かりにくい状況で はありますが、混雑しているフロントカウンターの横をスッと チェックインする姿を見る機会が増えるほどに、セルフチェッ クインの利便性が高まっていくものと考えております。実際 導入されたホテル様では少しずつ利便性が認識され、アプ リチェックインをリピートしていただいている、という声をお聞 きしております。他店舗への展開もご検討いただいており、 アフターコロナに向け期待していただいていると思います。 現在、グループホテルを中心に新しい取り組みとしてア プリの提案依頼を受けている背景から、徐々にマイオペレー ションを体感するお客さまが増え、アプリが普及していくこと と見込んでいます。アプリと接続する鍵もさまざまな個人認 証方法でお客さまが利用しやすい鍵を提供できる時代にな るでしょう。このような社会背景とともに変化する機器と柔 軟に対応できるという点で、アプリはお客さまの志向に柔 軟に対応していけるツールになると思います。 ―最後に今後の開発についてお聞かせください。 旅先からの客室内の電化製品コントロールや清掃・アメ ニティなどのリクエスト、タクシー手配もボタン一つでできる など旅ナカを中心に充実させたスマートPMS®の開発に 着手していきたいと思います。 〜安心・安全・清潔・エコ・ コンビニエンスを軸にアプリで 快適な時間と空間の提供を〜 2017年、タップ 30周年記念式典の席で林悦男会長が提唱した 『これからはマイホテル・マイオペレーション、マイホテル・マイリクエストの時代』。 当初より「マイホテル・マイオぺレーション」の実現としてスタートしたアプリ構想であったが、 コロナ禍における非接触需要の高まりに応えるために急ピッチに開発され、 2020年末、非接触型アプリとして誕生した。 開発における経緯や仕組み・今後の展開など、村山和歩課長にお聞きした。 生産性向上のためのテクノロジー導入事例 tapAppli 村山 和 か ず ほ 歩氏 ㈱タップ プロジェクト事業本部 営業部 課長 i n t e r v i e w k a z u h o m u r a y a m a

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