JARCLIVE10

JARC LIVE 25 お客様の困りごと相談から、開発に着手 ―はじめに、どのような背景で商品開発にいたったの でしょうか。 数年前に海外製の客室清掃管理システムを導入され ていた沖縄のラグジュアリーホテル様より、導入されたシ ステムの使い勝手が良くないという困りごとをお聞きした ことにはじまります。当時、スマートフォンやタブレットな ど個人で簡単に使用できるモバイル端末も普及していま したので、清掃スタッフの方でも簡単に操作できる状況 にありました。そこでルームインジケーター機能を持つ客 室サービス管理システム「RoomServiceAppli(RSA)」 を発展させ、客室清掃管理システム「RCA」の開発構 想が生まれました。RSAは客室係やゲストサービス担当 者がモバイル端末からも客室情報を確認できるようにした いという課題を解決するために開発されたものです。 ルームステータスや部屋詳細の確認がモバイル端末か ら閲覧できるだけではなく、客室備品の不具合管理など も可能となりスムーズかつ迅速な情報共有が可能となり ます。例えばお客さまからの客室からのタオルの追加デ リバリーなどをモバイル端末へ指示を通知する事でスムー ズに対応することができます。 ―既存の RSAをベースに客室清掃管理を目的とした アプリを追加されたのですね。 ベースはRSAですが管理という視点では新たなもの です。客室清掃においてはまだアナログ的にホテルや 外部委託事業の管理者が宿泊予約状況により手書きで アサインを管理している宿泊施設様が多く見受けられま す。しかしながら、テクノロジーを活用することで効率の良 い清掃員配置などのシフト管理を行なうことで、生産性 の向上を実現させることができるのです。清掃員の高齢 化、外部委託で宿泊施設側がシフトコントロールできな いなど、現状におけるさまざまな課題解決にもつながりま す。 ―基本的な仕組みをお聞かせください。 宿泊施設様が管理されている場合と外部委託先が管 理されている場合などで異なります。ただ、いずれの場合 でもブラウザで動作する管理者画面を利用する仕組みに なりますので、外部委託先がホテルの基幹システムを利 用しなくてもRCAの利用は可能となります。管理者画面 では清掃スケジュールの作成の最適化を目的に、お部 屋タイプごとにプライオリティ(優先)数字をつけました。 プライオリティの高い部屋から先に清掃できるよう、宿泊 者がチェックアウトした段階で自動的に優先度の高い客 室が画面トップに上がってきます。例えば基本を1として、 プライオリティの高い数値を3とナンバリングした場合、プ ライオリティの3がチェックアウトすると優先的に上位に上 がってきます。優先度は宿泊施設様側が決めます。清 掃に時間を要するスイートルームを最も優先度が高いと すれば、チェックアウトされた時点で担当清掃員に即座に 通知されます。スイートルームに限らずチェックインの早 〜清掃管理業務の効率化と作業量の削減 を実現する客室清掃管理システム 「Room Control Appl(i RCA)」開発〜 2021 年 3 月現在、コロナウイルス第三波により客室稼働率は低迷しているものの、 ゆるやかに回復する中、宿泊施設運営に欠かせないのが客室清掃の生産性向上だ。 これまでは経験値による清掃スタッフのシフト組みをしていたが、 限られた人数と能力でより生産性を高めることができる客室清掃管理システムが開発された。 営業部の谷口敬生グループリーダーに開発に至る経緯や想定などをお聞きした。 生産性向上のためのテクノロジー導入事例 客室清掃管理システム 谷口 敬 た か お 生氏 ㈱タップ プロジェクト事業本部 営業部 グループリーダー i n t e r v i e w t a k a o t a n i g u c h i

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