JARCLIVE10

12 ―はじめにホテル業界を志望された経緯をお聞かせくだ さい。 小学校 4 年生のときに家族とスキー旅行へいったときに、 宿泊先のホテルのベルスタッフの方が、チェックインから チェックアウト後のお見送りまで優しく対応していただいたこ とがきっかけです。そのときに“いつかは誰かの楽しい時 間のお手伝いをしてみたい”と感じたことがきっかけです。 そしてインターンとして働きながら学べる東洋大学へ進学し ました。本来は2 年生からコースが分かれてインターン活 動ができるのですが、志願してⅠ年生の6月からインターン として同じホテルで2 年間働きました。実際に現場を体験 することで、本当に自分がホテルに向いているのかを仕事 を通して知りたかったのです。 ―インターンではどのような経験をされましたか。 東京・箱崎にありますロイヤルパークホテルにて2 年間 で4 つの部署を体験させていただきました。始めの半年 間は料飲部門、次に宿泊部門、そして運営受託している 会員制の国際文化会館へ出向し、最後は念願のベルボー イでした。最初に配属された料飲の現場は寝不足と疲労 で仕事も学業もうまくいかない日々が続きました。千葉の実 家から通っていたため、始発 5 時台の電車に乗り、ホテ ルに6 時 30 分~ 7 時ごろ到着。料飲の体験は初めての ことでしたのでトレイもうまく持てないほどでした。1つ上の 大学の先輩がインターンでおりましたので、 いろいろと教 えていただき、とても感謝しています。学校は午後2時過 ぎから受講、自宅に戻るのは午後10時過ぎでした。週に3、 4日、このような生活をしていましたので、最初の6カ月間 は本当にきつかった記憶があります。宿泊部でランナー業 務に関わってからようやく余裕を持って仕事をするやり方を 学び、会員制ホテルでは顔見知りのお客さまが中心となり ますので一歩踏み込んだコミュニケーションの取り方がある ことを知るとともに、会員制の魅力も感じました。最後によ うやくあこがれのベルボーイとなりました。これまで学んだ 経験や知識を活かすこともできましたので、とてもやりがい を感じ、お客さまが身近にいる接客こそ、自分が一番やり たい仕事であることを確信した次第です。 ―いろいろな経験をされましたね。ところでインターンとし て、そして次世代をになう若者としてホテル業界はどうあ るべきだと思いますか。 先般、ホテル総支配人の講義で「これからは宿泊特 化型とラグジュアリーの二極化が進む」というお話を聞き ました。コロナ禍に求められているのはより安全で安心な ホテルであり、そのための非接触機能を持つ利便化は必 要であると思いますが、ホテルはやはり人の手のサービス だと思います。先日、客室におけるワンタップでできるスマー ト化について、学生目線でホテル業界に携わる方々に発 表いたしましたが、ニーズや流行に柔軟に対応しながらも、 ホテルは、ホテル本来の本質を見失わず、カタチは変わ るかもしれませんがサービスをを行なう場所であり続けて ほしいと思います。 ―最後に10 年後の自分はどうありたいと思いますか。 できれば、10 年後も常に身近な場所でサービスをし続 けていきたいです。業務という観点ではなく、満足いくた めの仕事であればと思います。お客さまの身近にいるベ ルボーイはまさにそのような場所だと感じています。現在、 「観光立国」日本実現に向けて観光業界を支え、 日本文化を世界に向けて発信する人材育成に取り組んでいるのが東洋大学 国際観光学部だ。 観光産業のあり方と未来について深く考え、観光業界への夢を実現する力を育むとともに、 「観光とは何か」「観光産業はどうあるべきか」「観光政策の課題解決に向けた取組とは」などを探り、 これからの新しい「観光」をつくる力を推進している。ホテル業界を目指す4年生 岡 俊輔さん、 3年生 風間 葵さんにホテル業界を選択した経緯や今後の展望などについてお聞きした。 4年生 岡 俊輔さん 小学4年生の家族のスキー旅行で決めたホテル業界への道 ~あこがれていたベルボーイ お客さまに 身近な場所でサービスし続けていきたい~ 次世代のホテリエ達 なぜ、ホテル業界を選んだのか?

RkJQdWJsaXNoZXIy NDU4ODgz