なんぶの里人 Vol.1

19 2 3 2 2 2 2 2 町民 NANBU no SATOBITO Text = Hirofumi Maeyama 出会いと結婚 マレーシアから南部町へ 人の出会いはアイルラ ンドだったそうだ。 パー子さんは、もともと海外旅行が 好きで、当 時通っていた英語教室の先生から 勧められ、ア イルランドのワーキン グホリデーに応募した。 そして少ない枠の中に見事選ばれ、 年間アイ ルランドへ行くことになった。ルー ンさんは父 親の病気の治療費を貯めるため、ア イルランド に出稼ぎに出ていたそうだ。そんな 人はたま たま同じ時期にアイルランドに滞 在し、同じレ ストランで働いていたことが出会い のきっかけ だった。 交際をスタートさせた 人は、それから 年 後結婚することに。 結婚を機にルーンさんの故 郷であるマレーシアへと移住した。 多民族が暮 らしているマレーシアでの生活は、 毎日が新鮮 で刺激的であったが、当時のマレー シアは治安 が悪く、特に子どもの誘拐が多発し ていたそう だ。子どもが生まれたパー子さんに とってそう いった環境は安心できるものでは なく、ルーン さんとの話し合いの結果、2018 年に家族で 日本へ帰ることにした。 日本に帰ってからは、パー子さんの実家に住み 始めた。静かで自然が美し、住み慣 れた南部 町の生活はパー子さん にとって居心地がいい。 しかし、今度は逆にマレーシアで生 まれ育った ルーンさんにとっては文化の違いに 戸惑うこと もしばしば。 「マレーシアでは夜中や明け方ま で友達や家 族で飲茶(ヤムチャ)を しに行く習慣がある。 日本はみんな寝るのが早いし、お店 は閉まるの が早すぎる。」 ルーンさんは冗談混じりに少し不満げな表情で 「い語いっ意た味。で、マレーシアの人たちは後先のこと を考えず、〝今〟を生きているかもね。ルーン も毎日、純粋に〝 からすごい。」 パー子さんはそう話す。 今の生きがい 今 人は何を思って生きているのだろう。 「毎日、今を精一杯生きることしか考えていない。 一緒に働いているおばちゃん達がとても優しい。」 そう話すルーンさんの夢は、子ども達がノーマ ルにハッピーであること。他に難しい はあれ これ考えないのだそうだ。 「子どもが人に迷惑をかけずに幸せに生きてくれ ればいいな。そして自分自身もの成長を通て 進化し続けたい。」 そう話すパー子さんは、子どもの成長を楽しみ にしつつ、里山で仲間たちとヨガをすることも夢 だそうだ。 子どもたちの成長を生きがいに毎日を一生懸命 生きながら、今を楽しんでいる 人の生き様は純 粋でとても清々しく映った。 ピンクの車にピンクのカバン、写真撮影には チャイナドレスという出で立ちでやってきた パー子さんは南部町出身。そしてマレーシア 出身のルーンさん。国際結婚を経て、いま里 山で生きるマレーシア人と日本人夫婦。 マレーシア人と日本人 夫婦の4人家族 パー子さん・ ルーンさん 一家 金 きんた ろう 太郎くん・小 こう め 梅ちゃん

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