安全で楽しい登山を目指して

74 第3編 登山の技術と知識を身に付けよう ○スリングを用いて簡易ハーネスを作る方法 いずれの結び方も繰り返し練習して山で使うように する。 2 固定ロープの仕方 沢登りなどロープを使って滝を登る時にハーネスな どの登攀具が必要である。そうしたところでなくても, 北アルプスの穂高岳や槍ヶ岳など急なハシゴやクサリ 場があるところでは,ロープで確保することにより生 徒が安心して登りや下りに集中することができる。こ こでは固定ロープ(フィックスドロープ)のセットに ついて説明する。 岩場ややせ尾根などのある山では8㎜×20mの補 助ロープと 120㎝スリング 1 本 60㎝のスリング 2 本, 環付きカラビナ 2 個程度の装備があると安心である。 フィックスドロープを張るにはまずしっかりした支 点(アンカー)をとることが必要である。支点は人工 的なもの(ハーケンやリングボルト,登山道にある鉄 製のハシゴなど)のほかに自然のもの(立木や岩など) を利用する。 ハーケンなどに環付きカラビナをかける,立木など にはスリングをタイオフしそれに環付きカラビナをか ける。支点は最低 2 カ所以上取る。 タイオフ 支点の環付きカラビナに補助ロープを固定する。結 び方はいろいろあるが,スポーツクライミングで使う エイトノット(八の字結び)を覚えておくとよい。 セットした補助ロープにプルージック結びなどでス リングをセットし,登る者のハーネスに連結する。最 後に登る指導者・経験者がロープ末端をおさえている と安定する。 腰 1 2 3 4 5 7 6 しめる しめる カラビナ B A B A B B A A B A A B A B ア イ ウ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 腰 1 2 3 4 5 7 6 しめる しめる カラビナ B A B A B B A A B A A B A B ア イ ウ 誤った結び方 し め る しめ る

RkJQdWJsaXNoZXIy NDU4ODgz