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JARC LIVE 5 一般社団法人宿泊施設関連協会 ―観光施設に関わる皆様には十分認識されています が、始めに公益社団法人 国際観光施設協会(以下、 JTFA)についてお聞かせください。 鈴木 JTFA(ジャトファ)は1953(昭和 28)年 11月、 運輸省観光部のご指導により開催した「観光施設展」 の出展企業により設立した任意団体「国際観光設備協 会」に始まります。1957(昭和 32)年 12月には、運輸 大臣の許可を受け「社団法人国際観光設備協会」に 移行し、その後、1970(昭和 45)年に「社団法人国 際観光施設協会」に改組いたしました。2012(平成 24) 年 4月に、公益法人制度改革関連三法の施行にともない、 公益認定を取得して「公益社団法人国際観光施設協会」 となり、現在に至っています。会員は建築・設備・インテ リアなどの整備・改善、観光地の活性化・まちづくりに調 査・研究する技術者集団です。会員は設計事務所、施 工会社、建材・設備調度備品などのメーカーで構成され ています。 ―具体的にはどのような取り組みを行なっているので すか。 鈴木 目指すのは日本の自然や文化を生かし、国際競争 力ある持続可能な観光施設および観光地域の開発です。 そのために「エコ・小」の普及活動や街づくりへの協力、 観光に役立つ見学会やセミナーの開催や情報誌の発刊、 観光事業の代表的なイベントである「国際ホテル・レスト ラン・ショー」「国際食品・料飲展」の共同主催団体とし て国内外に新しい情報を提供する事業を行なっています。 「エコ・小」の普及運動はエコロジーの視点で自然環境 を保全し、土地の力や美しい風習や生活文化を生かし、 小さなエネルギーで動く持続可能なシステム「エコ・小」 を個々の施設や地域に普及する活動を行なっております。 ―世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルス 感染により、観光業は大きな打撃を受けました。まだ 先が見えない、そしてコロナとともに歩く「ウィズ・ コロナ」かさまざまな産業で提唱され、関わる商材や 機材が販売されています。 鈴木 JTFAでは一般及び訪日外客のために施設の利 便性や安心安全のための調査研究の成果や地域観光交 流空間の作り方や環境技術、課題となる情報などを社会 全般に提供する事業」を具体的な目的として掲げて活動 して参りました。観光関係団体の中で唯一、ハードの調 査・研究を進めている当協会は、技術委員会・分科会 において「日本旅館のエコ20指標」、2008 年には「泊っ て安心?ホテル・旅館の安全性」の研究成果を世の中へ の啓蒙活動として行ってきました。またこの度、ここ数年 取り組んできたCSV 活動の一環を『ホテル・旅館の安全・ 安心読本 2020』の冊子にまとめ、会員向けに推奨してい ます。しかし、この度のコロナ感染症により今後はデザイ ンだけでなく天災・事故・犯罪など社会を取り巻くリスクに 対する対処策を広く、強く啓蒙するためには、エンジニア リングの思考で ITやAIを交えながらも観光施設に求め られるホスピタリティ、顧客満足とともに生産性を高めてい く仕組み作りを追求し、さまざまなジャンルの専門家と手を 組み新しい何かを生み出されている林会長の見識やお考 えをぜひ、JTFAの会員にもアドバイスをいただきたいとお 伺いした次第です。始めに宿泊業における非接触型につ いてご意見をお聞かせいただきたい。 林 コロナに限らずウイルスを媒介とした感染症に対する 消費者の意識は変わりました。日本はもともと感染予防と して手洗いの習慣がありますが、それ以上に、接触する ということに対してより敏感になります。ホテルはチェックイ ンに始まり、エレベーター昇降時のボタン、客室の入退出 林 悦男会長

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