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JARC LIVE 15 我々の力では防げないところまで来ています。それを新型 コロナ・ウイルスが証明してくれました。 ―現状、現実があまり見えない国などもあり、実態 はいかがでしょうか。 2020 年 6月21日現在、新型コロナ・ウイルス全世 界の感染者数 895 万 9805 人、日本国内での新型 コロナウイルス感染症の感染者は1 万 7864 人、死亡 者は953 人にいたります。 https://graphics.reuters.com/CHINA-HEALTHMAP-LJA/0100B5FZ3S1/index.html まさにこれからは、世界中の人々が、今までとは違う新 しい生活様式を取り入れていかないと、我々の生活が成 り立たないのです。それが「ニューノーマル」なのです。 ―ニューノーマルな生活とは具体的にどのようなこと とお考えですか。 「ニューノーマル」の生活の基本は検温、マスクの着 用、手指消毒、ソーシャル・ディスタンス、大声を出さない、 三密の回避(密集、密接、密閉)、これを常に行なう事 が当たり前の生活に変わりました。つまり新型コロナ・ウィ ルスは、常にそこに居ると言う意識で生活すると言うこと なのです。 <台東区新しい生活様式参照> しかし一番大事なことは、「ニューノーマル」の新しい 生活様式に対応する事で新型コロナ・ウィルスから大事 なお客さまやスタッフ、自分、自分の家族と言うように 全ての人を守る防衛生活のスタイルなのです。つまりは、 「ニューノーマル時代の観光の価値基準も変わったとい う事」も我々は、認識しなければいけません。 ―段階を踏んで行動範囲も広がりましたが、まだまだ 警戒心強く観光業をぐっと持ち上げていけるまでの状 況とはなっていません。 確かに「ウィズ・コロナの環境で安心安全に旅行でき るのか? 宿泊できるのか?食事を楽しめるのか?」が大 きな選択の優先基準になってくると思われます。そうなる と観光客を受け入れるホテル、旅館、観光施設、飛行 機、バス、電車などすべての観光に関わる業種において 「ニューノーマル」な対応が求められるのです。 ここで重要となるのが、基本となる受け入れのガイドラ インです。各業界団体は、国が策定したものを元に各 業界に合わせてアレンジして公開しています。ホテル業 界は一般社団法人日本ホテル協会が提示している「ホ テル業における新型コロナウイルス感染症感染拡大予 防ガイドライン」があります。多くのホテルは、本ガイドラ インを元に独自のガイドラインやマニュアル作りを行なって いますが、ここにもまだまだ課題が山積しています。消毒 一つとっても、何をどうすれば防げるのか、手探りの状況 だからです。 ―ところで海外はいかがですか。 もちろん、海外では、IHGが衛生基準を新定義「クリー ンプロミス」を立ち上げたり、国連世界観光機関、観光 再開に向けた分野別ガイドラインを策定したり、世界旅行 ツーリズム協議会、観光分野毎のガイドライン策定やシ ンガポール SG CLEANやタイ国政府観光庁観光業向 け衛生安全基準「アメージング・タイランド・セーフティー・ アンド・ヘルス・アドミニストレーション (SHA)」などが動 きはじめています。国内でもANAが推進するコロナ対策 「ANA Care Promise」やプリンスホテル、新たな衛生・ 消毒基準「Prince Safety Commitment(プリンスセー フティー コミットメント) など観光再開に向け動きはじめて います。また、現在当協会の理事であるサクラクオリティー の北村氏が監修した「サクラオリティ 安全行動基準 安 全行動基準 感染症予防及び防犯災衛生管理実践マ ニュアル」が高いレベルでの詳細の対応の実践マニュ アルの規範となっています。 ―しかし、現実的にはハードともに対処法が難しい一 面もあります。 根本的に考えると、現在のホテルや旅館などの宿泊・ 観光施設は、「ニューノーマル以前」の生活様式を元に 企画、設計、デザイン、施行されていますので、「ニュー ノーマル」時代には、対応できないハードとしての課題も 山積みです。 これだけでなく、来年の 2021 年 6月からHACCP の完全制度化にも対応しなければいけません。2030 年 SDGs に向けて、2020 年 7月1日からは、プラスチッ ク製買物袋有料化がスタートします。来年には延期になっ た東京オリンピック・パラリンピックや 2025 年大阪万博、 2026 年アジア大会開催と、まさに、「ニューノーマル」 から2030 年 SDGsまで持続可能な未来への取り組み が大変重要となります。 そこには、新しい技術、IT や素材、アイディアを取り 込んだ「ニューノーマル」時代の観光業を支える技術革 新が求められます。我々JARCは、「「ウィズコロナ安全 行動基準プロジェクトチーム」を立ち上げ観光を受け入れ る行政やホテル、旅館などの施設とそれを支える関連企 業と手を組んで「安心安全な新しい観光スタイル = 観光 グーリーンゾーン」を構築し、広げていきたいと思います。

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