なんぶの里人 Vol.2

自然環境×里人 100年息づく古民家を 自分の手でリノベーション 全国でも貴重な里地里山が残 る南部町。この 地で大正時代前後に建てられた 家には、地元で 採れた木材や資材をもとに、湿 気や雨風、雪の 多い気候を知る地場の大工、左 官、瓦などの職 人の技、そして自然の力を取り 入れ、暮らしを 工夫した里人の知恵が詰まって いる。そんな古 民家の一棟と、町への移住をきっ かけにめぐり 合ったのが、西村陽さんだ。 子どもの頃から、木と金属、旋盤 や溶接など ものづくりの工作機械が好きな 西村さんは、住 宅リフォームやリノベーション専 門建築大工 として活動する一方、農耕機械や 工場設備の修 理などの金属加工業を営んでい る。これまでは 実家のある米子を拠点にしてい たが、伯耆町出 身の里絵子さんとの結婚を機に お互いの実家 に近い南部町に移り住むことに した。住まい探 しの相談になん ぶ里山デザイン 機構を訪れる と、機構が管理する物件の中に、 築100年の 古民家があった。この家のオーナ ーは海外に住 んでおり、入居する人が決まっ たら、自由に改 修してもらってかまわないと承諾 を得ている物 件だった。西村さんは、里絵子さ んも気に入っ たこの家を新生活の拠点に決め、 建築大工の腕 を発揮して自らリノベーションに取り組んだ。 自分たちの生活スタイルに合わ せて改修する といっても、家は賃貸契約なで 勝手な事はで きない。西村さんは機構介して インターネッ トでオーナーと交流し、作業の節 目ごとに写真 を撮ってメルで送るなど信頼 関係を築いて いった。前庭に面した和室は、欧 州赤マツの床 材を使いフローリング・リビングへ。 「昔の木造住宅は、長く住み続けることができま すが、人が住まなくなると、急にあちこち痛み始 めます。フローリング工事の前は、床下に潜って の修復作業が多かったですね」と西村さん。時に は職人仲間に手伝ってもらい、西村家のリノベー ション工事は完了。その後、里帰りしたオーナー と県外で暮らす姉妹が家を訪ねてくれ、“思い出 の詰まった生家を、よみがえらせてくれてありが とう”と、工事の完了と入居を喜んでくれた。 「取引先の社長をはじめ、このリビングに通した 人は、なぜか必ず寝ころんで、くつろぎモードに なってしまうんですよ」と笑う西村さん。里山 四季を告げ、自然のリズムを運ぶ風が通う家で、 里絵子さんと紡ぐ暮らしは、2年目に入っている 西村 陽 よう さん 家族構成・妻 米子市からIターン 地域の風土と文化が色濃く薫る 昔の家を新生活の拠点に 10 Kuraco クラコ リフォーム・リノベーション専門、木製小物・テーブルなどのオーダー 作成、DIY サポート、金属加工、機械・工場設備の修理など。 TEL 090-6834-1966 / MAIL jam_ash_ivy@yahoo.co.jp

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