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8 カードキーを自動で除菌できる「カードクリーナ」開発 新型コロナウイルス感染の第二波、第三波が首都圏を中心に起こり、11 月 20 日現在、東京都は連日、一日の感染者数が 500 人を超えている。ある旅行会社では数日前まで賑わっていた GoTo トラベル客がピタリと姿を消したという。宿泊業界 においてはますます安心・安全が求められている中、カードキーを簡単に除菌できる画期的な「カードクリーナ」を開発した のが井出平三郎社長指揮する㈱マースウインテックだ。開発に至った経緯や今後の展開などお聞きした。 〜人的に1枚20秒ほど要する カードキー除菌作業を2〜3秒で自動除菌 ご利用シーンに合わせ3タイプをリリース〜 ―GoToトラベルでリゾートや温泉地など賑わいを取り 戻してきましたが、その一方でコロナウイルスの第二 波、三波が始まり、宿泊業界はますます厳しい局面を 迎えています。安心安全対策に向けた除菌作業に取り 組むスタッフも精神疲労が重なっています。その中で画 期的な除菌付きカードクリーナを開発されたとお聞きし ました。始めに御社が目指されていることや概要、今 日に至る経緯をお聞かせください。 当社は創業以来、「新たな価値の創出と地域経済・雇用 への貢献」を信念に掲げ、強い競争力を持った商品企画と 開発設計力を以て、世界初の技術として国内外で特許を多 数取得したAir 紙幣搬送システム、全国のホテル業界で市場 トップシェアを誇るルームキー発行回収ユニットなど、多岐に 井出 平三郎氏 ㈱マースウインテック 代表取締役社長 長野県埴科郡坂城町中之条 1375-1 URL:www.winteckk.co.jp 亘る分野の商品を生み出して参りました。近年では、これま で培ってきた開発製品を融合し、無人管理が可能な駐車場・ 駐輪場システムや、インバウンド向けの IoT自販機など、商 品開発から付随するシステムの供給まで可能なソリューション メーカとして現在に至ります。次なるステージは、当社のコア コンピタンスであるメカトロニクス技術を主軸に、これまでの経 験やノウハウさらに5G技術を積み足して、あらゆるシーンで省 人化・省力化を実現することにあります。現在は、当社のコー ポレーションアイデンティティである“「便利を」で社会を豊か に” に磨きをかけ、より一層の社会貢献に寄与すべく邁進し ております。 宿泊業界に視点を移しますと、生産性を高めることを目的 に自動チェックイン・チェックアウト機が順次導入され、ルーム キーの ICカード化が進んでいるという印象です。コロナ禍と いう現状の中、生産性向上に加え、お客さま、そしてスタッ フの方々の安心安全性を一層高めていくという新たな目的達 成を備えた機器が求められることでしょう。そこで宿泊業界を 取り巻く課題に向き合い、迅速に解決するための新たな価値 創造の一つとして、除菌機能付きカードクリーナの開発に至り ました。 ―ホテル業界における現状はいかがでしたか。 全国的な緊急事態宣言が発令された後、あるホテル様よ り「今年度入社した新入社員がカードキーの除菌担当として 勤務時間中ずっと、一枚一枚カードキーをアルコールで消毒 している」というお話しを聞きました。1枚アルコール消毒する ためにかかる時間は約 20 秒です。ずっと除菌担当させられる ことは精神的にとても辛いことでもあります。その作業をするこ とで、もしかしたらウイルスに感染するかもしれないという不安 やアルコールによる手荒れなど、さまざまな症状が出る可能性 もあります。生産性・効率性という点においても鈍化しますの で、この現状をお聞きし、また目の当たりにする中で、いち早く、 自動で除菌できる装置を提供する必要があると実感しました。 そして現在、カードの除菌を可能とする機器を約 1ヵ月間で 開発・商品化させ、全国を対象にご提案しているところです。 JARCウィズコロナ安全行動基準プロジェクト

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