JARCLIVE9

6 ホテルもありました。 鈴木 昭和初期に来日し日本文化に触れた、ドイツ人建 築家で桂離宮を世界に広めたブルーノ・タウトは、靴でベッ ドルームに入る自分たちの文化を大いに恥じたと言われて います。西洋の意識ある人に対して文化で説得すること は良いアイデアですね。日本の素晴らしい清潔な文化をホ テルや旅館を通して伝えていきたいところです。 <さいごに> 高橋 開いたときしか換気がされないエレベーターも危険 です。最近、唯一、エレベーター内の換気システムが開 発されましたが、まだまだ普及していません。ぜひ、今後 は国際観光施設協会の主軸となる設計・建築、設備系 の専門分野の見識により、今、宿泊施設が疑問に思って いることをぜひお聞きし、解決策をアドバイスいただきたい と思います。 鈴木 まさにウィズコロナであり、人類誕生以前から生き 続けているコロナと一緒に共生すること、そして共生できる 環境を整えていくことが課題かと思います。当協会としても 今後の建築のあり方を模索しながら、安全なホテル作りに つながるよう努めていきます。 林 客室の入口の自動ドア化など IT 分野では非接触を 追求しています。マイホテル・マイオペレーション、マイホ テル・マイリクエストを掲げ、テクノロジーを下支えに安全・ 安心なホテル運営のためにも、国際観光施設協会との関 係も深め、建築・ITそして抗菌などの環境整備の3部門 が一体となり、未来を見据えたホテル開発、提案を積極 的に取り組んでまいります。 の見解でどうすべきかも考えなくてはならないのだと思いま す。 鈴木 地域により消防に関する規制に違いがあり、大型 の観葉植物は可燃性があるという判断をするところもありま す。 <喫緊、見直すべき課題点> 高橋 ビニールシートも問題です。2020 年 7 月に基準が 変わったのですが、業界団体のコロナ感染対策のガイドラ インには反映されていません。防炎マーク付きのビニール シートを使用していない店舗もまだよく見られます。ホテル フロントでビニールシートに着火し火災が発生したケースも ありますので、この点も徹底していかなければなりません。 鈴木 内装制限のかかっている建築では10%以内であ れば可燃材料でも使用できるという基準はありますが、確 かに今後においては、パテーション問題は考えていかなけ ればなりません。 林 ホテルの通路や客室の絨毯も見直す必要があります。 ウイルスは降下しますので、十分な清掃をするためには絨 毯でなくても良いのではと思います。 鈴木 音の問題があります。絨毯を敷かないとカツカツと 歩くヒールの音などを消すことができないのです。リゾート では木や石などを床に使っていますが、クッション材を挟み 込んで設計しています。つなりその分、費用が嵩むという ことです。 林 清掃と言う点や今後、ロボットが運搬するという時代 がくると予測される中で、本来は靴の底が皮でも水ですべ ることなく、音が消せれば絨毯ではなくても硬い素材がい いのではないのでしょうか。 また靴を脱ぐという点で、室内でも靴を履くことが日常の外 国人に対して、日本の文化では靴を脱ぐことを伝えている s p e c i a l i n t e r v i e w 公益社団法人 国際観光施設協会 鈴木裕会長 高橋敏也理事 一般社団法人 宿泊施設関連協会 ウィズコロナ安全行動基準 プロジェクトチーム チーフ・コーディネーター

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