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JARC LIVE 55 きちんと解錠できて、壊れにく ければ何でもいい、は昔の話 弊社の非接触カード錠は世界166 カ国、4 万 2000 軒の宿泊施設で 導入されている。昨今の鍵業界のグ ローバルトレンドはなんといっても「モ バイルキー」の一言に尽きるが、欧 米豪中と比較して日本はこの分野で 少なくとも5 年ほど遅れをとっていると 感じている。 例えば弊社は2014 年、米大手 ホテルチェーンの会員向けアプリ上 にモバイルキー機能の搭載を実現し、 同年 11月にはこのアプリ上で発行 したモバイルキーを使用して弊社の 非接触カード錠を解錠する様子を英 CNNで放映している。国内ではそれ から実に5年後の 2019 年にモバイ ルキー導入ホテルが誕生したが、そ の後も積極的に導入を図っているの は外資系ホテルチェーンに属する施 設ばかりであり、国内系ホテルには全 く普及が進んでいない。残念ながらこ の事は、我が国のホテル開発に於け る建築工事の商流と無縁ではない。 日本の建設業界においては「鍵は 解錠できて、壊れにくければどこの製 品でもいい」という考えが根強く、多 くのホテル新築案件でゼネコン企業 やドアメーカーにカード錠の選定が一 任されてきた。海外の新築工事では、 今や鍵の選定は建築工事の枠組み を脱し、施主や運営会社がそれを取 り巻くソリューション一式として自ら選択 しておりその差は歴然といったところ。 ここ2 ~ 3 年、オリンピックの開 催に向けて外資系ホテルの竣工が 都市部で増加し、カード錠の選定に 於いて IT コンサルティング企業やシ ステム会社が、施主や経営会社に 直接提言すると新しい潮流も生まれ てきており、今後こうした取り組みが 国内系ホテルチェーンや地方の施設 に於いても加速されることを期待する ばかりだ。 ロイヤルティプロ ラムのアプリ への移行と収益性変化 ここのところこぞって外資系ホテル チェーンは、スマートフォンアプリ版ロ イヤルティプログラムをリリースしして いるが、モバイルキーの搭載によっ て感染症対策や運営効率化を果た したのはもちろんのこと、タビマエ・ タビナカ・タビアトの イレクトマーケ ティング機会の創出により、 イレク トブッキングの増加や OTA 手数料 の削減、館内料飲施設やルームサー ビスへの誘導による収益性の向上に より、ホテルの事業構造そのものを 大きく変化させるきっかけにも繋がっ ている。最近では国内系ホテルチェー ンでも同様にアプリ開発の動きが加 速しており、宿泊事業そのものの定 義に大きな変革が訪れようとしている ことを感じる。 現在のところ、国内におけるホテ ル運営のコンタクトレス化は、チェック イン対応の簡素化に重きが置かれて いる。キオスク端末の導入や、クラウ ド版ゲストカードへの事前入力などに よって、感染症対策のみならず、人 件費削減や人的エラーの防止、プロ セス迅速化、データ獲得機会の創 出など、さまざまな派生効果を生み出 していると思われる。またチェックイン 作業の自動化やゲスト自己完結化に より、人的資源を更に付加価値の高 いサービスへとシフトさせることが出来 るため、顧客満足度の向上に寄与 し、新規顧客の獲得にも好影響をも たらすと期待されている。 弊社も引き続き、国内の非接触 技術およびモバイルキー技術の普及 に向けて精進する共に、世界中のソ リューション企業との更なる連携を加 速させ、より安全でシームレスな運営 導線と、格別の宿泊体験をご提供い ただける様、鋭意努力して参りたい。 ~廉価な客室価格でも スコアの低いホテルは選ばれず~ 深尾 大地氏 ㈱アッサアブロイグローバルソリューションズ ジャパン 代表取締役 第 32 回 間違いだらけの鍵選び世界の非接触カード錠とモバイルキーの最新事情 JARC SEMINAR クチコミを通して課題を見出し業務改善、 目標設定、進捗管理を 非接触技術とモバイルキーで備える新しい日常 ~業務効率化・顧客満足度の同時実現に向けて~ ~ウィズコロナから SDGs へ part6 ~ 11月19日(木) 東京都千代田区九段北2−3−7前川九段ビル4F http://www.assaabloyglobalsolutions.com/ja/

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