JARCLIVE9

JARC LIVE 33 や多様なアクティビティを提供するなど、現代と比べて自 己依存度は高いものの、改善されつつありました。まさに ESを意識した組織づくりの原点とも言えるのではないで しょうか。 人が動くからには高い対価を得られるように ホスピタリティは人的サービス化とITを使い分けたハ イブリッド型で新しいホスピタリティの価値創造が求めら れます。人材においては生産性を高めた事業収益の改 善を行なうことで労働対価水準を高めることが可能です。 機械ではなく人が動くからには高い対価を得られるように することで帰属性、持続性の高い人材管理を実現する ことができます。健康管理についてはコロナなどウイルス によるクラスター発生を未然に防止するためのシフト組み をシステム化することが必須です。スタッフの健康を守る ための体制や仕組み作りをすることは人材維持にもつな がるからです。 つまり、これからはますますオペレーション、ホスピタリ ティ、人材、健康の4項目をレ ルの高いものにしてい くためにも人だけではなくテクノロジーの下支えが必要で あり、これからはテクノロジーが共存する時代になるとい う認識を持つことが重要です。わずかここ8年間でスマー トフォンからの予約ができるようになり、フロントはロボット が接客し、部屋の鍵はチェックイン機から自分で入手す ることができるようになりました。またビッグデータを生かし た戦略的な運営も十分実現できるようになります。 「今度できるホテル“変なんです”」 次にブランディングについて変なホテルを例にお話しし ます。「変なホテル」というネーミングも企画・建築など に関わっている方々が「今度できるホテル“ 変なんです”」 と口々におっしゃっていました。であればその変なホテル という印象をそのままネーミングにした方がインパクトもあ り取材もされやすいと考えたのです。さらにコーヒーカッ プから湯気が出ているようなロゴも“ 変わり続けていくこと を約束する” 意味が込められています。 土台の部分は竹の節をイメージとし、土台の上は大和 絵特有の手法で霞を表現し、コーヒーの湯気のように見 えるところは日本の国蝶「オオムラサキ」の触角を表し ています。竹の節はどんどんと伸び、霞の上の蝶はさら に高いところを舞飛ぶというイメージです。つまり、ITを 駆使した最先端のホテルは止まることなく進化し続けてい くということを現して表しているのです。 このように話題性を創造し、注目されるためにはネーミ ングやロゴもホテルブランディング構築に欠かせない要素 なのです。 フロント接客重視する固定観念根強く ホテルにおけるテクノロジー導入については残念なが らIT 化はまだ進んでいません。どうしてもフロント接客は 大事だ!という固定観念が強いことに起因していると思い ます。ところが交通機関を見ると、以前は改札で駅員が 切符を切るという人的対応していましたが、1972 年ごろ オムロン社が自動改札機を開発し導入した結果、切符 切りのために待たされることなくスムーズに改札を通ること ができるようになりました。人を介せず目的を達成できる ことで待たされるというストレスが解消されます。ホテルの フロントも同様に、チェックイン時間が集中するときに待 たされることのないチェックインが求められているのです。 つまり人と時間の関わり方が変化しているのです。 これからの世界についてはスマートフォンの中でチェッ クイン、チェックアウトが可能となります。アプリの中の QRコードでカードキーを入手でき、QRコードをリー ー に翳せばレストランの予約が確認でき、オー ーも可能 です。朝食レストランなどの混雑状況も見ることが出来 るようになります。つまり接客で行なっていたことがすべ てアプリで解決できるようになるのです。パスポートや身 分証明書にあるソーシャル情報を活用すれば顔認証など の生体認証を通してシームレスな環境が実現します。事 務的手続きや物を運搬するという単純作業だけでも IT 化することにより、貴重な人材は、ホテル本来のより暖 かいぬくもりを感じさせるホスピタリティができるようになる のだと考えます。常に先を見続けるクリエイティブな人間 でいることを大切にしてください。 ㈱タップ ホスピタリティサービス工学研究所 執行役 藤原 猛 たける氏 〒 135-0016 東京都江東区東陽 2-2-4 マニュライフプレイス東陽町 1F TEL:03-5683-5314 HP:http://www.tap-ic.co.jp

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