JARCLIVE9

16 ―はじめにタラソテラピーを始められたきっかけをお聞かせくださ い。 前職は病院でリハビリテーション科に勤務していました。 リハビリの場合、病院の敷地内の施術となりますが、ホテ ルには衣食住があります。客室での過ごし方や食事など、 個々の生活習慣を伺うことができます。ゲスト一人ひとりに 寄り添った細かなプログラムを組むことで未然に病気やケガ を防ぐ未病につながります。タラソテラピーの知識はありま したので、ウェルネスをテーマとするホテルに関わってみた いと思い転職しました。 ―ウェルネスタラソでは具体的にどのようなことをされてい るのですか。 ウェルネスタラソでは南国沖縄の美しい自然に包まれたリ ゾートの空間の中、日常を離れて寛ぎながらリフレッシュす ることで、本来の心身の健やかさを取り戻していただきた いと考えています。タラソテラピープログラムを中心にストレッ チ、ヨガなど、さまざまな運動やリラックスメニューをご用意 して「健康と美の再生」をご提案しています。 ―実際、どのような方がいらっしゃるのですか。 ウェルネスを求めて来られるお客さまは、40 歳半ばより 上の年齢層の方がメインで、肩こりや膝の痛みなどの整 形疾患や原因がわからない体の不調を感じている方が多 くみられます。またご来館当初はウェルネス目的ではなかっ たお客さまも、タラソプール(温海水)に入ったり、ウェル ネスキュイジーヌを楽しまれたり、そして客室のテラスで潮 風を感じながら休息をとることで、あらためてご自身の健康 について意識される方もいらっしゃいます。ここでのご滞在 が、お客さまの健やかなライフスタイルにつながるきっかけ になっていると感じます。 ―まさに心身ともに疲れている世代ですね。具体的にど のように対応されているのですか。 治療専門医ではありませんので、こうやったらどうだろう、 こんなやり方がありますよと、アドバイスしながら、ご自宅で も継続可能なプログラムをご提案しています。一人ひとり に合ったアドバイスができるよう、プログラムの開発には提 携する内科ドクターに監修を依頼しています。また、定期 的に外部講師を招いての研修やタラソスタッフ同士の勉強 会を開くほか、ホテル全体でウェルネスを提案するため、タ ラソスタッフが講師となって、宿泊や料飲、調理など他部 署のスタッフに向けての研修も行っています。 ―調理部、宿泊部との連携もされているのですね。 体の使い方や筋肉など専門的な知識はありますが、栄 養バランスを保ちながら味・量ともに満足できるメニューづく りは専門家でなければ分かりません。客室においても枕や イスの配置の変更など、それぞれのスペシャリストと連携 することでより良い提案をすることができます。お客さまに は運動や食習慣など13 項目のヘルスチェックをご用意して います。また施術中の会話も大切にし、担当スタッフが細 かく記録しています。 ―カルテを見れば次回来館した際に誰でも一目で分かり ますね。 カルテをとることにより季節的な変化も読みとれます。例 えば 12月から3月ごろまでは、40 代の女性が1人でいらっ 沖縄の自然に恵まれた優雅でスローな時間を創り出しているザ・テラスホテルズ。 中でも「ザ・テラスクラブ アット ブセナ」は2016年5月、SLHに日本のホテルとして10番目に加盟、 2020年「フォーブストラベルガイド2020」格付け評価「ホテル部門」にて4つ星を獲得した。 今回はウェルネスをキーワードに取り組むタラソチーム 水野麻衣リーダーと 内面から健康になるために尽力している比嘉徹料理長にお話を伺った。 ホテル ループ タラソチーム チームリーダー 水野麻衣氏 宿泊・調理・タラソ部門の連携で個々のウェルネスプロ ラム作成 ~提供する料理、客室内の備品の配置など 徹底的に追求~ ザ・テラスクラブアットブセナ 沖縄県名護市喜瀬 1750 TEL:0980-51-1113 URL:https://www.terrace.co.jp 生活習慣を軸とした 改善プログラム作成 次世代のホテリエ達 あの憧れのホテルに泊まってみたい!スタッフクローズアップ

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