JARCLIVE9

JARC LIVE 13 抗ウイルス性能の長期持続性も実現 ―よくホテルの現場から抗ウイルスの商品にウイルスが 付いたとき、ウイルスの減少 99%という表現が曖昧で あるという声を聞きます。 抗ウイルス性能の有無に関しては、ウイルスの付着後、 24 時間経過したときにどのような状況にあるかがポイントと なりますので、弊社は ISO(国際標準化機構)の試験方 法に従い、24 時間後にウイルス数の減少 99%という数値 を掲載しています。 ―しかし、実際はいかがですか。 ウイルスの不活化は付着後3時間~6時間と言われてい ますが、試験方法に違いがありますので一概に分析するこ とはできず、比較は難しいと思います。 弊社は独自に JIS の試験を行なった結果、付着してから4時間後にウイルス の数の減少という点で変化が見られました。 ―ロングスパンととらえたときに、実際にどのくらい抗 ウイルス効果を保つことができるのでしょうか。 アイカウイルテクトはメラミン化粧板に抗ウイルス剤を練り 込んでいますので、表面の艶が変わるほど摩滅するまで長 時間効果を持続します。乾拭きなど通常の清掃に加え、日 常的にアルコールや次亜塩素酸ナトリウムでの消毒を行う ことが増えていますが、その点においても問題ありません。 メラミン化粧板の特長は硬さと耐薬品性です。 硬いため 表面が削れにくく、耐薬品性にも優れているため、抗ウイ ルス性能を長く保つことができるのです。価格は一般タイプ より10 ~ 15%高額ですが、性能と外観を長期間保てま すので、価格には見えない強みの部分をご理解いただけれ ばと思います。 ―ところでこれまで想定外の質問や問い合わせはありま したか。 商材的には特に想定外というものはありませんでした。し かし、薬機法によりどのウイルスに効果的なのかということを 提示できませんでしたので、エビデンスを求められるお客さま にどのように明確なことを伝え、案内を進めていくべきか思案 いたしました。今では抗ウイルス建材はさまざまなウイルス対 策をお手伝いするものとして浸透してきていると考えます。 PCR 検査用コンテナ内装にも採用 ―残念ながら宿泊関連業界はまだ「抗ウイルス」と 「抗菌」の違いを理解されていない方が多いようです。 ウイルスと菌は同等とみられているようですが、今後に おいてはまさに「抗ウイルス」対応が求められます。 新型コロナウイルスが仮に終息しても、次に新たなウイ ルスが感染症を引き起こすかもしれません。 そのため にも菌とウイルスが異なることを理解し、先々に向けた 対策を講じることが不可欠です。 冒頭で学校やオフィ スからの引き合いもあったと言われていましたが、この 業態は想定されていらっしゃいましたか。 まずは医療介護施設向けに目を向けていましたので、学 校や企業からの問い合わせは予想していませんでした。 そ の点では想定外と言えることだと思います。今後もあらゆる 用途からお話が増えてくることでしょう。実際、先日は移動 型の PCR 検査が行われるコンテナ内装にも採用されまし た。これからの時代、ますます抗ウイルス需要は高まります ので、抗ウイルス建材は当たり前のものとなるよう提案して いきたいと思います。また今後はメラミン化粧板以外でも抗 ウイルス性能を付加した商品の開発も進めていく計画です。 ―宿泊業界においてウイルス対策についてどのような 点に注意すべきと思われますか。 客室にあるテーブルや備品などが課題となります。日常 的な清掃で、アルコールなどの消毒が行われるようになりま したが、拭き残す可能性もあります。いかにこのようなリス クを低減させるか、お客様に清潔感を提供できるかが課題 かと思います。 ―おっしゃる通りです。スタッフは常に除菌消毒をしな くてはならないため疲れています。その状況で拭き残 しによるリスクの低減や、お客様に様々な対策を施し ていることをアピールするためにも、これから建築する ホテルは建築スタートの段階からウイルス対策に配慮し た建築をしていかなればなりませんね。 最後に宿泊業 界に向けてひと言お願いいたします。 スタッフルームの安全性も不可欠です。 特にロッカー は必ず触れる場所となりますので、ウイルス対策が必要で す。また非接触化は進められていますが、まだまだフロント でチェックインをされる方が多く見受けられます。 フロントの カウンターもお客様がよく触れる場所ですので、ウイルス対 策としてアイカウイルテクトをおすすめします。 抗ウイルス建材を使用していることをお伝えするステッカー も数種類ご用意していますので、お客様にも抗ウイルス仕 様であることをお伝えする事が可能です。 アイカでは抗ウイルス建材の品ぞろえを充実させるととも に、アイカウイルテクトは昨年 11月からアジアへの展開を 進めるため、海外の工場でも生産を始めています。 昨年 3月末時点では化粧板や壁面材など3種類でしたが、扉や トイレブースなどを追加し、2月時点で12 種類の用途に 対応しています。今後も持続可能な社会の発展に貢献し、 広く社会から信頼されるグッドカンパニーを目指します。

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