JARCLIVE8

JARC LIVE 59 ザ・キャピトルホテル 東急 東京都千代田区永田町 2-10-3 TEL:03-3503-0109 URL:https://www.capitolhoteltokyu.com 留まり、取材を受け情報が広がるとともに注文数も増えていっ たのです。その中でも一番に人気があったのがパーコーメン でした。そこで本格的にパーコーメンをグランドメニューの一 つとして販売していくことが決定したのです。 ―販売価格はおいくらだったのですか。 テイクオーバー直後の 1984 年は、2000 円で販売いたし ました。当時の中華そば・ラーメンの相場に比べると圧倒 的に高額な値付けとなります。この価格に見合ったラーメン を提供するにあたり、豚肉のロースの部位を使い、しっかり と厚切りにしてボリューム感を出しました。また当時は提供 する器をドイツの食器ブランドであるローゼンタールを使用し て少し大きめにしました。また薬味を別の器に盛り付けるな ど、ボリューム感による食としての満足感と見た目にもホテル ならではの高級感や上品さを感じていただけるようにしたの です。 ―しかし、1980 年代の大卒初任給は月15 万円ほどでし たから、このパーコーメンはとても高いものだったんですね。 本格的にパーコーメンを売り出しましたが、価格が高いた めスローなスタートでした。ところがホテル目前に国会議事 堂や官庁が多く建ち並ぶ立地にありますので、食事の時間 が少ない国会議員の方の中で話題になり、徐々に注文数 が伸びるようになったそうです。それと同時に、“国会議員 の方が召しあがるラーメン”として取材され再び話題になり ました。国会議員の方いわく“街のラーメン屋に行って気 楽にラーメンなんか食べられないだろ！　ここだったら遠慮な く注文できるから最高なんだよ”とのことだったようです。パー コーメンを食べると首相になれると噂される出世ラーメンでも あったようです。こうして徐々に国会議員に限らず、財界人 や芸能人など著名人がオリガミのパーコーメンを求めてご来 店くださるようになったのです。 ―全面建て替えのときはどのようにされていたのですか。 建て替え中も当ホテルを愛してくださるお客さまに料理を 提供すべく、赤坂のビルの一角にオリガミや星ヶ岡などの仮 設店舗を構え営業を継続、もちろんパーコーメンもご用意し、 お客さまをお迎えしました。ところがザ・キャピトルホテル 東 急の開業時のディナータイムにはパーコーメンの提供を取り やめたのです。するとグランドオープンとパーコーメンを待ち 望んでいたお客さまから“なぜ、夜にパーコーメンがないの か”というお声を多数いただいたことから、お客さまのお声 にお応えして全時間帯での提供の再開をしたのです。 ―開業とパーコーメンを食べられることを心待ちにされてい たのですね。まさに逸品です。最後にひと言お願いいたし ます。 私は関西育ちのため当ホテルのパーコーメンの味はしっか りした味付けに感じるのですが、この塩気とどっしりとしたボ リューム感、口の中に広がる濃厚な感覚がお客さまの舌に 記憶としてしっかりと残っているからこそ、長年にわたり提供 し続けてこれたのだと思います。次世代にもこの味、ボリュー ム感をぜひ、きちんと習得していただき、この先もずっと愛さ れ続けるパーコーメンであってほしいと思います。多い日に は 100 杯ご注文いただく日もあり、すっかりオリガミの名物メ ニューとなりました。ボリュームがありますのでご高齢の方や 女性の方など、ご要望に応じて量を少なめにしたり、人数 分に小分けするなど柔軟に対応しています。これまで愛し てくださったファンの皆様の気持ちを大切に、また初めて食 された方から新たなファンになっていただけますよう、われわ れは先達が残してくれた財産をお客さまのご期待に応えるべ く、今後もしっかりと残してまいります。 曽我部 俊典氏 ザ・キャピトルホテル 東急 総料理長　兼　副総支配人

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