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44 非接触技術とモバイルキーの活用で、コンタクトレス化を実現 スウェーデンに本社を構えるアッサアブロイ グローバルソリューションズ社は、1975 年に世界初のホテル向けカード錠 「VingCard」を開発し、同社の非接触カード錠は現在も世界でトップシェアを誇る主力製品となっている。そこで今回は、 国内において同社製品の販売・施工・保守事業を展開する日本法人の深尾大地社長に、世界の非接触カード錠およびモバイ ルキーの現状などをお聞きした。 ―新型コロナウイルス感染症が世界的に広がる中、国内 でも宿泊業における非接触対策が求められています。御 社はグローバル企業として世界シェアナンバーワンを誇 る非接触カード錠を独自開発・製造していらっしゃいます が、世界のホテル事業における非接触カード錠の昨今の 実情とは。 弊社の非接触カード錠は世界 166カ国、4 万 2000 軒 の宿泊施設で導入されており、客室数にすると延べ 700 万 室にも上ります。この業界の最新トレンドと言えばやはり「モ バイルキー」、この一言に尽きるでしょう。現に、弊社が開 発したモバイルキーを導入される施設は世界中で増え続けて おり、昨年末には実に13 万室に達しました。 そもそも世界規模でモバイルキーの導入が加速しているの は極めて自然な流れと言えます。例えば世界中のホテル業 界が今注目する「ミレニアル世代」は、旅行消費の半分以 上をスマートフォンから手配しています。また全てのトラベラー のうち81%が旅先のリサーチに、74%が旅行代金の比較 に、スマートフォンを利用しています。更にはトラベラーの 74%が「よりスマートなチェックインプロセス」を求めており、 71%が「ホテルでモバイルキーを使いたい」と考えています。 国内でもモバイルキー機能を搭載した非接触カード錠 「VingCard」の販売・施工・保守事業を全国展開しており、 コロナウイルス感染症の発生を機に非接触技術への関心や 事業活用への気運が高まっていることを感じますが、我が国 は欧米豪中に比べて少なくとも5年は、この分野で遅れを取っ ていると感じています。例えば弊社は2014 年に、米大手 ホテルチェーンと会員向けアプリを共同開発し、同年 11月 にはこのアプリで受け取ったモバイルキーを使用して非接触 カード錠を解錠する様子を英 CNNで放映しました。国内で は、2019 年 4月に初のモバイルキー導入ホテルが誕生し ていますが、その後も継続して導入を行っているのは外資系 ホテルチェーンの施設のみであり、国内系ホテルにはこれま でのところ全く普及していません。 ―世界ではいち早く、カードキーのモバイル化が進めら れていますが、なぜ日本のホテルは大きく出遅れている のでしょうか。 国内の新築工事に於いては、アメニティやベッドメーカー には何かと話題が集まるものの、鍵メーカーやその機能につ いて語られることはほとんどありません。これは、カード錠の 選定が、ゼネコン企業を主たる商流とする建築工事の区分 になっているからです。「鍵は壊れにくければどこのメーカーで もいい」という古くからの考え方とも相まって、国内ではいま ~間違いだらけの鍵選び。業務効率改善、 顧客満足度向上、生産性拡大の実現に向けて~ 深尾 大地氏 ㈱アッサアブロイグローバルソリューションズジャパン 代表取締役 東京都千代田区九段北2−3−7前川九段ビル4F http://www.assaabloyglobalsolutions.com/ja/ JARCウィズコロナ安全行動基準プロジェクト

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