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42 世界最高水準として評価されている「顔認証」システム 「1957 年(昭和 32 年)、監視カメラの発売に端を発し、長年の研究開発を経て、ここ数年、様々な活用が始まっているの がパナソニックグループの非接触テクノロジー「顔認証」だ。この人物が誰なのか確定する技術には指紋や静脈など最先端の テクノロジーで開発が進められているが、測定するときの気温や状態に左右されにくいと言われているのが、骨格と骨格の数 千種類の点を結び付けていく顔認証が最も正確性に長けていると言われている。パナソニック システムソリューションズジャ パン(株)の津村賢一課長に開発までの経緯や優れているポイント、活用方法の拡がりなどをお聞きした。 ―グローバル化が進む中、不特定多数の人が出入する ホテルやさまざまな業界で、非接触ならびに犯罪防止機 能として本人確認のための非接触テクノロジーが開発さ れています。中でもパナソニックグループが開発された 顔認証は世界最高水準として評価されています。始めに 顔認証の開発に着手した経緯をお聞かせください。 1957(昭和 32)年に発売した監視カメラに始まります。 その後、1988(昭和 63)年に車のナンバー認識可能な カメラを開発しました。特に照度の低い暗いトンネル内の逆 走車など暗闇でも交通違反者を検知することができるというも のです。1999 年には線路内の侵入者を見つけ出すための カメラ開発に至りました。当時はアナログでしたが逆光でも映 し出すことができますので、昼夜の光の変化や周辺の建物 の高低による影などに左右されることなく人物をとらえることが できます。2005 年にはカメラのデジタル化が進み、2008 年にはLUMIX FX40ほかの機材にて顔認証の搭載を行な い、2017 年には空港出入国ゲート、2018 年には鉄道 施設における転落検知、2019 年には商業施設を対象とし た行動分析、そして2020 年現在は入隊基本パッケージの 発売に至りました。顔認証の開発に本格的に着手したのは 1992 年からとなります。 ―照度が低くても映し出すことができるということです が、だいたいどのくらいの明るさまで可能なのですか。 個々により照度の感覚は異なりますので一概に言えませ んが、街灯下や廊下の明るさととらえていただければと思い ます。また画像処理技術により画像を邪魔するチリを消すこ ともできますので、より鮮明に映し出すことができます。また 2017 年には人の脳が学習する仕組みを取り入れた機械学 習手法であるディープラニングと、誤りを抑制する類似度計 算手法を組み合わせた独自のアルゴリズムによって、いかな る状況下でも正確な顔認証が行なえるシステムを開発しまし た。世界最高水準と評価されているのは精度の高さであり、 さまざまな領域で活用されています。 ―ディープラニングの融合とはどのようなことですか。 顔詳細と顔全体の同時把握による高精度化を目的とした ものです。顔詳細は骨格など深い構造を高品質な画像で学 習することでパーツ形状の特徴を抽出し、顔全体は変動が 多いため変動の多い画像でパーツ間の特徴を抽出するという 広い構造をとっています。結果、NIST(アメリカ国立標準 技術研究所)IJB-Aで世界最高水準の認証性能を達成しま した。現時点でエラーは約5分の1へ低減しました。横向き ~顔詳細と顔全体の同時把握による高精度化実現、 毎日10万人の顔認証利用実績~ 津村 賢一氏 パナソニック システム ソリューションズ ジャパン㈱ 課長 〒 222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜3丁目1番9号 アリーナタワー TEL 045-478-6343 URL:https://biz.panasonic.com/jp-ja/solutions/facial-recognition JARCウィズコロナ安全行動基準プロジェクト

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