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36 安全・安心の見える化 スタッフの手で客室全室 空気触媒コーティング 1986 年の開業以来、東京・銀座や大阪、福岡など各地に個性豊かな 21 のホテル展開をしているのが山本啓之社長率いる ホテルモントレ㈱だ。従業員数は 2020 年 6 月1日現在で 1503 名に達する。この度のコロナ禍、全ホテルにて従業員自 らの手で抗ウイルス・抗菌コーティングを行ない、ホテルの安全・安心の見える化に向けた取り組みを行なった。山本啓之社 長の決断とホテルへの思いをお伺いした。 ―全室、自社社員で安全・安心の見える化に取り組まれ たと聞きました。実施にいたるまでの経緯をお聞かせく ださい。 不測の事態として新型コロナウイルス感染症が世界的に 広がる中で、もともとお客さまの大切な命をお預かりしている ホテル業において、安全性は大前提です。今回の緊急事 態を機に、安全・安心はこれまで以上に求められることであ り、その信憑性がホテルの評価ならびにブランド力を醸成す るものになるであろう、という考えからでした。当社はもとも と安全性を追求し、バックヤードにおいても避難経路を確保 するために緊急時に備えて避難経路と通路との間をテープ で仕切り、テーブルやワゴンなどの物を置かないようにしてい ます。また以前、ノロウィルスが発生した経験からバックヤー ドにおける管理は徹底して行なっています。コロナウイルス に関しても日本に広がり始めた2、3月には、当社の各ホテ ルで従業員のマスク着用に対して見解が分かれておりました が、お客さまに感染させない、そして1500 人を超えるスタッ フに感染させないために3月には全従業員マスク着用を決め ました。 私自身、鉄道会社出身であることも含め、公共性の高い 施設などにおける安全・安心が第一であるという意識が強い こともあり、その見える化をどのようにするべきか、ということ を模索していたのです。 ―首都圏を中心に感染者数が増加するとともに、感染症 対策の消毒液や機材などの情報が増え、消費者側もど れが正しい情報なのか分からなくなってきました。 ちょうど、何をすべきか思案しているときに、JR 西日本が ニチリンケミカル社の空気触媒コーティングを採用したという 新聞記事が目に飛び込んできたのです。電車はホテル以上 に不特定多数の方が利用し、コロナウイルスに限らず様々 なウイルスが付着する公共交通機関が採用したということは、 ニチリンケミカル社の空気触媒コーティングはとても信頼性が 高いものだと確信しました。さらに、調べるとJR 西日本に限 らず、地下鉄や市バス、学校などでも採用されていることが 分かり、当ホテルで採用することになりました。 ―しかし、空気触媒による抗菌コーティング作業をなぜ、 従業員で実施されようと思われたのですか。 コロナの影響で首都圏に限らず、月を追うごとに宿泊者数 が減少し、作業可能な従業員数は十分に確保できました。 またスプレーガンを使って簡単に作業ができますので、男女 問わず誰でも取り組むことができます。本来はニチリンケミカ ル社にて行なう講習に行かなくてはならないのですが、受講 者として当社から20 数名いたことと、コロナ禍で研修を受け ~社会的価値・意義の認識度が高まり プラスのモチベーションへ転換~ 山本 啓之氏 ホテルモントレ㈱ 代表取締役社長 大阪市浪速区湊町 1-2-3 URL:hotelmonterey.co.jp JARCウィズコロナ安全行動基準プロジェクト

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