JARCLIVE8

JARC LIVE 31 ―消防庁予防課は6月の時点で飛沫防止用シートとして使 用されているものに対する危険性を促しているのですね。 ところがなかなか改善されていない現実が散見できます。 そのため7月にさらにガイドラインへ掲載する文例(囲み参照) の周知をうながすとともに、さらに7月22日に情報提供の要望 を都道府県の市町村(消防の事務を処理する一部事務組合 などを含む)に対する周知を呼びかけました。飛沫防止用のシー ト類についてのすべてを対象としているのではありません。公益 財団法人 日本防炎協会が定める防炎性能基準に適合するも のが防炎製品として認定されているものがあり、防炎製品として 認定された製品や材料には防炎製品ラベルが貼付されていま す。シート類を使用されているホテルやレストランなどの飲食店、 そのほか観光事業に関わる店舗や観光施設の事業者の皆様 には、理想的にはシート類よりもクリアボードやパーテーションを 使用されることが望ましいと思いますが、シート類を使用されてい る場合はお客さま、そしてそこに従事する方々の安全のためにも、 使用されているシートに防炎製品ラベルが貼付されているか否か の確認をしていただくことが大切だと思います。 ―ところで、消防庁が推奨しているポリカーボネート素材と はどのようなものですか。 ポリカーボネートは熱可塑性プラスチックの一種です。透明性・ 耐衝撃性・耐熱性・難燃性において高い物性を示します。自 社試験結果ですがポリカーボネートは濃度 70%エタノール液体 を噴霧したあとのふき取りに対するクラック(ヒビ)は入らず、次 亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度 0.1%)も同様の結果です。 実態調査においてはポリカーボネート素材のほかにアクリル、硬 質塩ビ、ペット、軟質塩ビ、軟質塩ビ(防炎グレード)の6 種 類の素材で行ないました。視認性(クリア感)、割れにくさ、燃 えにくさにともに優れており、傷つきにくさにおいては表面が傷つ きやすいという結果を得ました。アクリルは視認性においては透 明度が抜群に高いため高級感があるのですが、燃えにくさという 点で問題があります。硬質塩ビは燃えにくさという点では燃えにく く、耐薬品性が強いのですが、視認性の点では少し青みがあ り透明度が低いことから、ホテルなど空間との調和やグレード感 という視点ではマイナスイメージを与えてしまうかもしれません。こ のように飛沫防止パーテーションといっても素材により長所・短 所がありますので、設置を検討されている場合、使用されている 素材にも注意を払っていただければと思います。 ―御社のパーテーションはテレビ局のスタジオにも起用さ れています。本当に透明度が高く、多様なニーズに対応し たオリジナル加工をされています。 お客さまのご要望に応じて企画から設計、製作から施工まで 一貫して行なっています。また汎用性の製品としてコロナ対策ア イテムのオンラインショップも展開しています。塩ビ組み立てタイ プやアクリル折りたたみタイプやフェースシールドNやソーシャル ディスタンス床用シールなどの販売をしております。 ―最後に今後の課題についてお聞かせください。 飛沫防止パーテーションや飛沫防止シートなどはウィズコロナ の中、設置することが日常化されてくることでしょう。ところが問 題は使用後の廃棄問題が生じてきます。買い替えなどをする際 にこれまで使用していたものを廃棄しなくてはなりません。世界 的にSDGsへの取り組みがされている中、プラスチック製品や ビニールシートの廃棄をどうすべきかが課題となります。この問題 は日本に限らず世界的なことです。リサイクルできるアクリルの 開発や理想的には飛沫防止機能が搭載されたエアーカーテンな ど、自然環境に優しい製品開発が急務であると考えます。ただ 今の段階では火災防止の視点から使用されているシート、パー テーションの素材が塩ビでも防火タイプか否かを空気乾燥度が 高くなる前に確認していただければと思います。 新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策の観点から、 レジカウンターなどへの飛沫防止用シートの設置が増えている ところですが、先日、大阪の商業施設において、ライターを 購入した客が試しに点火したところ、シートに着火する火災が 発生しました。 シートの材質によっては、着火・燃焼しやすいものがあるこ とから、ガイドラインへ掲載する文例を参考に、各業種の感 染予防ガイドラインに、シートの火災予防上の留意点を記載 することにつきまして周知依頼いたします。 1.ガイドラインへ掲載する文例 (1)火気使用設備・器具、白熱電球などの熱源となるもの の近くには原則設置しないようにすること。ただし、これらの近 くに設置することが感染予防対策上必要な場合においては、 燃えにくい素材(難燃性、不燃性、防炎製品など)を使用 すること。 (2)同じ素材であれば、薄いフィルム状のものに比べて板状 のものの方が防火上のぞましいこと。 (3)不明な点があれば、最寄りの相談すること。 2.その他 燃えにくい素材の考え方については、以下、ご参照ください。 〇一般的に、飛沫防止のための使用が考えられる透明の シート類については、引火点、発火点、事故消火性の有無 などの性質を踏まえると「ポリ塩化ビニール製やポリカーボネー ト製のものが比較的燃えにくい素材であると考えられる。 〇難燃性。不燃性、防炎製品などの情報については、 製造者などの製品仕様をかくにんすることが望ましい。 消防庁予防課 飛沫防止用シートに係る 火災予防上の 留意事項について 令和 2 年 7 月 17 日付

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