JARCLIVE8

30 消防の視点から使用している飛沫防止用シートや パーテーションの素材チェックを! 感染予防対策として商業施設、飲食店舗を中心に飛沫防止用のシートや飛沫防止パーテーションが設置されている。しかし、 シートやパーテーションの材質によっては引火・燃焼しやすいものがあることから、消防庁予防課は内閣府および関係府庁担 当部局に向けて所轄の各団体に周知されるよう依頼した。アルコール消毒や空気の乾燥のともなう静電気になど、火災につな がる要因が懸念されている。そこでいち早く、アクリル素材のパーテーションの提案・販売に着手したアステックス㈱に現状 をお聞きした。 ~アルコール消毒や静電気によりシートや パーテーションに引火や火災の危険あり~ ―新型コロナウイルス感染症対策として飛沫防止用のクリ アボード、パーテーションがホテルや飲食店などで設置さ れている台数が日に日に増えています。御社はプラスチッ クの総合商社として日常、職場の安心安全に貢献されてい ます。始めに御社の経緯をお聞かせください。 1992 年 2月、㈱クラレと緑川化成工業㈱の合弁会社とし て、クラレ社の水槽業務並びにドーム等建材・工事事業を引 き継ぐとともに、人工大理石を使用したホームシアター市場の 開拓を目的として発足いたしました。その後、商環境事業に進 出し、現在の主力事業となっています。名古屋・出雲のプラ スチック板加工工場を中心に、グループの母体であるプラスチッ 中村 博之氏 アステックス㈱建材営業部 課長補佐 東京都台東区駒形 1- 4 -18 緑川ビル TEL:03-5828-5655 URL:http://www.astaix.co.jp ク専門商社をはじめ、インジェクション成形会社や金属・木加 工会社など、国内外 20 数拠点が連携し、お客さまの課題解 決のためにともに考え、悩み、解決策を見出せることを大切に 取り組んでいます。 ―新型コロナウイルスが日本で発症して以来、私たち自身、 ここまで国内外で感染が広がることは想像できませんでし た。今年の 2 月ごろ、コロナウイルスは飛沫感染すると いう医師団の見解もあり、とりあえずという感覚でシート を垂らして予防線を張るホテルや店舗が多く見受けられま した。 当初は、慌ててホームセンターで農業用のビニールや机の 上に敷くデスクマットを購入され、それをカウンターやレジのとこ ろに上から吊るす、下げるという応急措置で対応する施設や 店舗が大半でした。今でもコンビニエンスストアやスーパーなど ビニールなどで飛沫感染予防をしているところもあります。毎 日、スタッフがシートを下ろして表面をアルコール消毒して再利 用しています。ところが感染防止用のシート類は火災を引き起 こす危険性があります。特に表面をアルコール消毒すること でアルコールがシートに付着し、わずかな炎でもアルコールが 反応し、着火させてしまう可能性を秘めています。消防庁予 防課でも6月1日の段階で飛沫防止用シートの危険性と火災 防止上の留意事項を発表しています。この段階では設置にあ たり、火気使用設備・器具、白熱電球などの熱源となるもの から距離をとること、スプリンクラー設備の散水障害が生じな い位置に設置するとともに、自動火災報知機の感知器の未 警戒部分が生じないようにすること、避難の支障をとらないよ うに設置すること、必要に応じて難燃性または不燃性のもの の使用を検討することとしています。難燃性とは燃焼に対して 抵抗する燃えにくい性質のことで、耐燃性と言われることもあ ります。不燃性は継続して燃焼しない性質のことを指します。 JARCウィズコロナ安全行動基準プロジェクト

RkJQdWJsaXNoZXIy NDU4ODgz