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JARC LIVE 21 家具や調度品も90%以上、再生専門工場に依頼するな ど、富士屋ホテルの歴史を忠実に再現した。 業務効率と顧客管理の課題解決に向けたシステム改革 ハード面のグレードアップに合わせ、サービス品質のレ ベルアップを目標にタップ社のシステム導入を行なった。 実現のためにバックオフィス業務をできる限り省力化し、 付加価値の高い接客現場に多くの人財を配置すること、 また顧客情報を部署間で連携する方法の抜本的改善に 挑んだ。一方、これから先の 100 年に向けて、これまで の顧客を大切にするだけではなく、新たな顧客を創造して いくことも重要な課題として認識していた。 業務効率と顧客管理という2つの課題を解決していくた めには、拡張性の高い PMS の導入が不可欠であると考 え、システム設計思想が明確で、豊富なAPI 連携やワ ンストップサービスを提供するタップシステムを採用すること になった。 ホテルがオープンしたことから、短期的には安定稼働と イレギュラーに対する迅速なサポートを期待。中長期では 業務の効率化につながる機能強化のスピードアップに期 待しているという。 将来的には同ホテルで期待通りの課題解決が実現し た際には、さらなる効果を求めてグループ全体への展開を 計画していくことで、これまでの顧客とのつながりの継続と 新たな顧客創造、そしてグループ内の連携を図り富士屋 ホテルズ&リゾーツのさらなる繁栄を目指す。 「富士屋ホテルは当社の施設ではありますが、同時に、 観光地箱根にとっての観光資源の一つでもあります。今 回の営業再開が少しでも箱根観光の活性化につながれ ば、働く従業員にとってもこの上ない喜びでしょう。ホテ ルとして営業し、多くのお客さまにご利用いただくことこそ が、登録有形文化財であるホテルとしての価値です。ぜ ひ、これから多くのお客さまのお越しをお待ちしております」 (勝俣伸社長)。 機会を与えていただき、本当に感謝している」と勝俣伸 社長は言う。142年前と同じ7月15日にリニューアルオー プンを迎え勝俣社長はじめ感無量この上ないことは言うま でもない。 海の見えるラウンジ「オーシャンビューパーラー」 本館(客室 12)は入母屋造りの瓦葺大屋根と唐破 風の玄関が特長で、洋風建築でありながら外観の装飾 は日本的に仕上げている。新型コロナ感染症対策として 玄関フロントには検温装置も配備し、安心・安全対策を 講じた。改装によりフロントを昭和 52 年以前の位置に戻 した。海の見えるラウンジとして存在していた「オーシャン ビューパーラー」を復刻させるとともに、開放感のある明 るい雰囲気に一新した。 西洋館(客室 21)は明治時代の面影を残している。 改修工事の過程でかつては客室の壁の色が桃色だったこ とが発見されたことから、一部の部屋にその色を忠実に 再現した。 花御殿(客室 40)は3代目 山口正造の作品。客室 はすべて異なる花の名が付けられ、絨毯も客室名の花をモ チーフに特注品でコーディネートされている。客室の扉や部 屋に花の絵が飾られていたことから、その絵をモチーフに新 たにカーペット柄を1室 1 室描き起こしていった。 メインダイニングルーム・ザ・フジヤ(385㎡、120 席) は約6メートルの天井に描かれた636 種類の高山植物の 天井画を、文化財補修専門家により1枚1枚修復した。 フォレスト・ウイング(客室 47)は最上階にスパ・リラグゼー ションを新設。2 階に宿泊者専用ラウンジ(62㎡)、ゆっ たりとした会議も可能なフォレスト・ホール(137㎡、会議 ロの字 16 名)も備えた。 新設のカスケード・ウイングでは大正期の旧宴会場カス ケードルームを復元したレストラン(257㎡、92 席)を新 設、洋食を提供する。新たに宴会場「ヘンリーズ・ルーム」 (117㎡、40 席)も誕生した。 スパ フォレスト・ウィングの最上階に位置し、浴槽から箱根の外輪山の雄大な景色が望める 140 年余の富士屋ホテルの歴史を学べるホテ ル・ミュージアム 改装により復刻したオーシャンビューパーラー

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