JARCLIVE5

6 ロボットの時給換算 416 円なり 宿泊産業は個人の力量に依存する「パーソナルサー ビス」を軸に運営してきました。ところが経済成長とと もに外食産業や宿泊特化型ホテルなどが急速に増え、 ヒューマンタッチを求めながらも画一化されたマニュアル でサービスを提供する「ヒューマンサービス」が現在の 主流となっています。さらに今では ITの進歩によりある 意味、数値化されたマニュアルは人間以外でも提供可 能な技術を生みだすことが可能となり、ホテルにおいても ホテルシステム(PMS)を通して、それぞれを融合させ た「テクノロジーサービス」という新しい分野が広がり 始めました。 この先、全国各地でホテル計画が公表されています が、その一方で人手不足問題が深刻化しています。テ クノロジーの進歩は宿泊産業の人材不足を補うとともに、 生産性向上を推進するための環境作りを容易に実現す ることができます。例えば警備・搬送・清掃に対応する ロボットが今は単体で動いていますが、人間のようにマ ルチタスク可能なロボットが完成すれば生産性を上げる ことはできます。今はそれぞれが単体で動いていますの で 1 台が月額 30 万円のリースとすると時給換算で 416 円、3 体で約 1200 円となります。ちょうど、現在の人件 費に相当します。もし、これが1体のロボットで可能であ れば生産性はさらに上がるわけです。 しかしテクノロジー(ロボット)だけでは顧客満足を高 めることはできません。生産性を高めながらも顧客満足 ~ヒューマンサービスと テクノロジーを融合させる エンジニアリングの存在~ 宿泊産業を支える関連業界の英知や技術をホテルや旅館に投入し、生産性、 顧客満足度の高い新たな宿泊産業を切り開くために(一社)宿泊施設関連協会を立ち上げた林 悦男会長。 宿泊産業は個人の力によるパーソナルサービスに依存していたが、 AI や技術を活かした生産性向上とともに顧客満足度を高められる人材が不可欠と考え 「ホスピタリティサービス工学」を打ち出した。 新たな挑戦に至った経緯や概要、展開をお話しいただいた。 宿泊産業の活路を見出す 「ホスピタリティサービス工学」の可能性 林 悦男氏 (一社)宿泊施設関連協会(JARC)会長 ㈱タップ 代表取締役会長 日本工学院専門学校 IT カレッジ テクニカルディレクター

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