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14 森本 昌憲氏 一般社団法人日本ホテル・ レストランサービス技能協会(HRS)会長 FBを制する者はすべてを制する ~マナーとサービスの両輪が回るFB部門の指導者を育成~ ホテルに欠かせないレストランサービス。かつてメインダイニングはホテルの顔であり、ブランドであった。 ところが宿泊部門が強くなるほどに花形だったレストラン部門が薄れつつある。 “FBを制する者はすべてを制する”と提唱しているのが、 一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会 森本昌憲会長だ。協会の概要、今後の取り組みについてお聞きした。 業界団体 TOPに聞く 担当は日々お客様に客室ほかのスペースで最高の憩いの 場を創るクリエイター、プランナー、FBはレストラン等の舞台 を整えそこでお客様と共にそれぞれ味わいのあるドラマを創 り演じるディレクター&アーティストです。お客様はその「場」 と「時間」を楽しみに訪れ、集まって来るのですね。いわ ば宿泊部門はゾウの時間、FB部門はネズミの時間で動い ていると言えるでしょうか。 ーおっしゃる通りですね。しかしながら、理解されていない 現状を打破するためには、どうしたら良いと思われていらっ しゃいますか。 マナーを教える先生や講座はいろいろありますが、料飲 サービスにおいてマナーは知識だけではなく体現するもので す。相手を思いやるマナーとサービスは車の両輪です。当 協会はサービスの技能を高め第一線で活躍する人材を育 成するとともに職場のリーダー、良き指導者、講師を養成す る実践的な教育機関としての活動を充実し、一層の理解、 浸透を図る事が不可欠と考えます。そのためにもホテルだ けではなく、専門学校、そして働きたい人が三位一体となり、 求められるサービスのあり方や手法を編み出していくことが大 切なことだと思います。平成生まれの感性は異なります。だ からこそ生きた教え方をするためにも関わる団体、学校、働 きたい人がスクラムを組んで改善していかなければならない のです。 ー最後に今後の取り組みについてお聞かせください。 国家検定のレストランサービス技能士に加え、料飲業 界を幅広く支える人材を育て、活躍できる機会を作るため、 当協会独自のプログラムの実施に向け準備をしています。 今後とも、企業と学校を繋ぎ、人材の育成・成長・発展 のためのプラットホーム造りに貢献したいと思います。 ーホテルFB 部門はホテルブランド価値を高めるために重要 な存在であるにも関わらず、ホテル部門の中で軽視されつつ あります。その中で厚生労働大臣指定試験機関として「レス トランサービス技能士」の国家検定技能資格の試験を実施 されていらっしゃいます。初めに概要をお聞かせください。 昭和 61 年、労働省(当時)から社団法人としての設 立許可を受け、協会の主軸事業として労働大臣から認定さ れた技能審査制度に基づき「料飲接遇サービス技能審査 試験」の実施に取り組んで参りました。平成 14 年、厚 生労働省より協会の事業の取り組みが認められ、それまで の「料飲サービス士」は職業能力開発促進法第 47 条に 基づく国家検定資格「レストランサービス技能士」として新 たにスタートし、当協会は厚生労働大臣よりその検定試験 を実施する指定試験機関に認定されました。検定試験は 知識やレベルにより1 級から3 級に分かれており、過去の 「料飲サービス士」とあわせ、今では4 万人を超えるサー ビス技能士を生み、日本のレストラン業界において活躍して います。 ーしかし、ホテル業界は利益率の高い宿泊部門が強くな るほどに、料飲部門に対する理解度が薄れてきました。 私も前職で藤田観光のホテル経営に携わってきましたが、 この協会に来てからは改めて料飲部門とそこに従事する人 たちの素晴らしさを実感しています。彼らには宿泊部門やそ の他の部門や組織運営などにもその才能を発揮してほしい とも思います。というのもFBの担当者は特にお客様と接す る時間が長く、個々のお客様に対して個別の対応をし、イ レギュラーな事が起きた場合は、その場で臨機応変に対処 する判断力と行動が求められます。常にお客様も顔が見え ているので、その対応次第で生涯の顧客を創り出すことも、 波及効果として宴会や宿泊に繋ぐこともできます。客室の

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