JARCLIVE10

JARC LIVE 9 は存在するものなのか、なくすべきなのか、“お客さまは 神様”は果たして残っているのかなど、最悪なときだから こそ、ゼロベースにして日本のおもてなしを考え、販売戦 略の策定をするときでしょう。 Q田川先生のスライドの中で新しい旅のカタチと して「新しい国際交流」と記されているので すが、具体的にどのようなことなのかお聞かせくだ さい(大阪市・大学関係者) A1964 年に海外の自由化となり日本人が海外へ旅 をするアウトバンドを主力に展開する中で、安全・ 安心のためのJTB標語作りをご案内してきました。現状、 インバウンドの回復には時間を要すると予測されますが、 まずはアウトバウンドにおいて「三密回避の旅行」とい うものの再構築を目指して準備しています。何が三密 回避なのか、何が安全安心なのかを考え直しています。 日本文化を伝えるための準備を進めていくことです。47 都道府県における今年 5 月、6 月頃から活動していくた めのロードマップを施策中です。管理型でありながらも新 しいものをみていただけるよう地産地消と原点に返り、イ ンバウンドを迎えたときに新しい国際交流というものを新 たに作り出していくことが必要であると考えます。 Q林先生が重要性を掲げていらっしゃった新たな 人材としてホテル業界に不可欠な「ホテルエ ンジニア」が備える能力はどのようなものでしょう か(福岡市・ホテル関係者) A飛行機を例にみると飛行機の機体はボーイングや エアバスが作って、その機体を使用して運営して いるのが JAL やANAなどの航空会社です。つまり装 置が下支えとなりお客さまへサービスを提供しています。 ホテルにおいて現在進歩しているテクノロジーを材料 にしながらサービスを提供していく、いわゆるITを利活 用できる人材を「ホテルエンジニア」と言います。大切 なことは、まず「気づくセンス」があることです。そして、 お客さまが喜ぶサービスとは何か、どのくらいの金額で 販売するべきかという「売る力」と、効率をあげるため には、どの作業にテクノロジーを組み合わせたらいいの かという「創る力」が必要です。まずは感受性、観察 力を持って課題問題に対して「気づくセンス」を持つこ とが大切なことなのです。 Q積田先生にお聞きします。新型コロナ第3波に より終息が見えない中で、経営を持続するた めには何をすべきでしょうか。(仙台・旅館経営) A最近、そのような質問やご相談を受ける機会が 増えています。そこで新聞社で温泉地 50 件に 電話取材を行ないました。予約状況につきましては今年 の1、2月は昨年と比較して非常に減少し、厳しい現状 であるということです。休業や土日のみの運営をしてい る旅館もありました。その中で今、取り組まれていること をお聞きすると新しい生活様式に対応した食事処の改 善や少人数で運営するための館内業務のオペレーショ ンの改革や新しい社員教育マニュアル作成を行なわれ ているという回答がありました。皆さん、GoToトラベル の再開ができる事を願いながら厳しい中で頑張ってい らっしゃいます。ピンチをチャンスに、今だからこそできる ことに取り組むことが大切だと思います。 Q清原先生、ホテル業界において多岐にわたる 課題が浮き彫りにされましたが、今、第一優先 で取り組むべきことは何かを教えてください (札幌・ホテル関係者) A難しい世の中になって新聞やテレビ、雑誌などを ご覧になって現状を打破するための新たなキー ワードを勉強したり、深堀りされていることと思います。と ころがホテル産業の特殊性から過去に積み上げてきた 財産を忘れては、すべてを解決することはできないと思 います。日本のホテル産業は安心安全を第一にここまで 拡大してきたことはすごいことであり、積み上げてきたこ の財産を置きざりにしたら大変なことになります。復活し たときに置き忘れた財産を取り戻す様なことになったら、 相当な時間を要します。そうならない為にもどの財産を 残していくのかを真剣に考えることです。「変革の力」と 「変える決断」「古きものを残して行く勇気」があるか? 観光産業が基幹産業になるときまで我々の構築してきた 「おもてなし業」の本質の再見直しの時に来ていると考 えます。 第Ⅱ部 質疑応答

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