JARCLIVE10

JARC LIVE 33 上の課題やニーズを、分析や検証結果から正確には把握 し、新たな方法でブランドや販売力を上げていけるセンス を持つことです。お客さまが喜ぶサービスに対してお客さま がどう思っていたのか、サービスを作り上げたら満足せず、 分析して新たな方法を見出して発信し続けていくことが求 められるのです。 「創る力」とはたまたまや勘ではなくて、あくまで理論的、 論理的に問題を設定して、技術や ITを使って柔軟な発 想に基づき、もっと効率よく、よりよいサービスを造るセン スを持つことです。 くまモンの生みの親である水野学は、著書「センスは 知識から生まれる」の中で、センスは生まれついたもので はなく、あらゆる分野の知識を集積することで向上すると 説いています。顧客嗜好が多様化する時代においては、 スキルよりもセンスを磨くことで仕事を成功させることができ るのです。 「知る」と「創る」が循環する「STEAM+SF」教育 これからはSTEM(科学・技術・工学・数学)にA(Art もしくはArts)を足したSTEAM(スティーム)教育が不 可欠です。芸術や教養とひと言で言っても、単純に絵を 描くとか、楽器を演奏することではありません。芸術の本 質である「何を美しいと思うのか?」「何が幸せなのか?」 といった哲学をテクノロジーと融合させることです。それが STEAM教育です。今や、われわれの生活はテクノロジー に溢れています。いろいろなモノやコトがスピードアップし て便利になってきました。 「でも、本当にそれだけでいいの? もっと人間が幸せ に、心まで豊かに暮らす方法はないのかな?」こんなふう に哲学的な考え加味して、テクノロジーを生かしていくこと です。それが STEAM教育の本質なのです。 さらに、今後においてはSTEAM 教育にSFを加えた 考え方が必要だと言われています。これを身に付けるため には「想像」と「創造」の2つの力が欠かせません。そ れを養うためにはSFを読むのが一番です。だから「+ SF」なのです。大人のためのSTEAM学校ではありませ ん。自ら関心を持ち、知識を得ていくしかないのです。鉄 腕アトムやドラえもんの世界のようにSFがイマジネーション を高め、クリエイトしていく、想像と創造が求められます。 今ないものを創り出していくためにはストーリーを描くことが できなければならないからです。 さらに今後サービス・ホテル業界においては、環境問 題や熱エネルギー問題にも取り組んでいかなければなりま せん。顧客満足や売上を上げるだけではなく、ゴミやエネ ルギー消費そのものを減らすために、テクノロジーを活用 することもエンジニアリングの世界です。エンジニアリング は人間生活すべてに関与しているのです。 私が会長を務めている㈱タップでも近い将来、スタッフ がいなくても24 時間対応できる無人コンビニや、自分の スマートフォンから客室のお風呂や空調などを外出先からで も自由に操作できたり、お客様の好みで客室の鍵を選ぶ など、身障者のための盲導犬に変わるロボット犬や、宿 泊施設への本格導入を目指して、さまざまな取り組みをテ クノロジー企業と研究会をスタートさせています。 皆さんは、このような時代にホテルで働き、新たなホテ ルを創り上げていくことができます。ぜひ、これから宿泊業 界で求められる「ホテルエンジニア」を目指し、日常に溢 れているいろいろなことに興味を持って観察し、考える力 を養っていただければと思います。 ㈱タップ 代表取締役会長 林 悦男氏 〒 135-0016 東京都江東区東陽 2-2-4 マニュライフプレイス東陽町 1F TEL:03-5683-5314 HP:http://www.tap-ic.co.jp 各施設の「サービスポリシー」に合わせバランスをとる

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