JARCLIVE10

JARC LIVE 29 ー SDGs を意識した企業が勝ち始めている すでにSDGsを意識した企業が圧倒的に勝ち始めてい ます。例えば、コーヒーチェーン最大手のスターバックスコー ヒーは99%の豆をフェアトレード(途上国で作られたもの を適正な価格で取引すること)によって仕入れています。1) 全世界でのESG(Environment Social Governance) 投資(※ SDGsを意識した企業への投資)残高は31 兆 ドルを超えると言われています。また、2019 年には米最 大手投資運用会社のブラックロックによると2012-2018 年までの投資リターンはESGファンドが従来型ファンドを 上回ったと発表しています。2) SDGsを考慮している企業が利益を出している、社会か ら指名されているということです。 今後の企業運営においては、SDGsを意識した運営をす ることが成功への秘訣です。 ◆ホテル運営による SDGs の実現 ーどうすればホテル運営において持続可能な社会を 実現するか SDGsにおける17の目標をわかりやすくまとめると、「環 境を守りながら世界中から貧困をなくし、安全な生活を整 備し、人種やジェンダー差別のない社会をつくる」というこ とです。ホテル運営においては、環境に配慮したアメニティ やレストラン、多様な人材の雇用が該当します。 多様な人材の雇用に関しては、2019 年に特定技能、 2020 年に技能実習生を採用することが可能となりまし た。その 2 つの在留資格を組み合わせることにより、途 上国の貧困層が日本の高クオリティのサービススキルを習 得、母国へ帰国した後も活躍しその国のサービスレベル の底上げが見込まれます。結果的に、観光事業などによ る収入が増え、国が豊かになる循環が実現可能です。 ー大切なことは企業の SDGs への取り組み意思を表 明すること 大切なことは、本業で儲けながら社会を変えていくこと です。つまり、顧客から選ばれることを意識しなければなり ません。SDGs 時代では、持続可能な社会を考慮してい ることが顧客のサービス選択基準のひとつになっているた め、各種ホームページや広告、社員への浸透などによっ て大々的に表明することが非常に重要になってきます。 ◆実はマッチしている SDGsと日本社会 ー日本社会の現状 現在の日本社会は、2021 年現在、世界一の高齢 化社会と現在の日本社会は、2021 年現在、世界一の 高齢化社会となっています。原因は少子化です。合計 特殊出生率(一人の女性が生涯で産む子供の数)は、 1995 年以降一度も1.5 人を超えていません。人口維持 には2.1 人必要だと言われていますので人手不足になる ことは明白です。結果、外国人の働き手が必要不可欠 になります。おそらくこれからの 10 年間、外国人を雇用 しない日本企業は、ほとんどないのではないでしょうか。 ーアフターコロナを見据えた人材活用 世界中を席巻している新型コロナウイルスですが、よう やく各国でワクチン接種が始まり、収束への第一歩が始 まりました。ある程度緩やかにではありますが、訪日外国 人の数も回復してくることが予想されます。 今後、新型コロナウイルス拡大前の状態に戻り始める 見込みですが、2019 年 12月のデータでは香港、タイ、 シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピンからの来日数 が過去最高を記録しています。また、在日ベトナム人も 過去最高を記録し続けていました。訪日外国人の国籍と 技能実習や特定技能で雇用する外国人の国籍は重なっ ています。今こそ、半年〜 1 年後の社会を見据えた先手 を打った雇用が求められています。 <参考文献> 1)スターバックスコーヒー公式 HP.“Ethical Sourcingエシカルな調達 ” https://www.starbucks.co.jp/socialimpact/glocallyresponsible/ethicalsourcing/(参照 2021-04-06) 2)GLOBAL SUSTAINABLE INVESTMENTREVIEW.“OBAL SUSTAINABLE INVESTMENTREVIEW2018”,http:// www.gsi-alliance.org/wp-content/uploads/2019/06/GSIR_Review2018F.pdf,(参照 2021-04-06)

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