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26 い宿泊者に向けた優先順位をつけるなど、宿泊予約状 況や宿泊される方の顧客データをもとにプライオリティを 決めることが出来ます。 清掃優先順位を自動的にスタッフに通告 ―清掃員にはどのように通知されるのですか。 清掃員には個々に提供されるタブレットにお知らせしま す。清掃員Aさんのタブレットには清掃員Aさんへの指示 のみが通知されていますので、混乱することなく次に清 掃する客室を認知することができます。次にどこの客室 に行くのかを考えることなく清掃作業を行なうことができま す。管理者は個々の能力や就業時間に応じたアサイン ができます。また清掃時(検査時)のチェックリストによ り清掃や点検ミスを撲滅させる機能も搭載しています。 特定の客室に特定な指示を個別伝達することができま すので、品質向上を維持することができます。 管理者は清掃員の一日の作業効率や部屋タイプごと に設定された作業量の重みづけ、清掃チェックリストの可 視化をすることで効率化はもちろんのこと、清掃員の能力 評価も明確化できますので、有能な人材は評価の可視 化によるモチベーションアップや新人の方は成長目標が 明確になり、より一層な能力開発につなげることができま す。 ―清掃員の能力の可視化はまさに生産性やモチベー ションアップにつながります。 業務改善のためには客室の作業量の見える化が欠か せません。客室タイプにより清掃にかかる標準値を設定 します。加えて清掃員の作業能率を1日5時間(300分) の勤務時間として想定した数値化を行ないます。1室あ たりの清掃に何分かかるか標準値を設定いたします。例 えばツイン・ステイ清掃:50とした場合、スイート・ス テイ清掃:90とします。次に各作業者の作業能率は 担当者Aさん、作業能率 100%とすれば可能作業量は 300となります。作業能率 120%の担当者Bさんの可 能作業量は360となります。逆に作業能率 80%のCさ んの可能作業量は240となります。作業能率が高くて も勤務時間が平均より低く80%勤務の方もいらっしゃい ますので、勤務時間や作業能率などさまざまな要素を盛 り込み、一日当たりの作業量と時間のバランスをとること で生産性を高められるのです。 一日1室 100 円で年間約 500 万円 コストダウン ―PMSとの連動はいかがですか。 PMSと連動していても清掃業務を委託している場合、 顧客情報の観点で外部委託先にはPMSを操作させるこ とが難しいこともあるかと思います。RCAの管理画面は PMSとは切り離された独自の画面で管理できますので、 外部委託先に清掃管理業務そのものをコントロールさせ ることができる点もポイントです。ご提案という観点では、 RCA導入により確実にコスト削減につながることを強調 できればと思います。例えば一室 1000 円の清掃コスト が発生しているとして、一部屋単価を100 円でも下げる ことができれば、200 室のホテルで稼働率が 70%の場 合、1日稼働は140 室、年間 365日で5万 1100 室と なります。約5万室として1室 100 円のコスト削減により 年間 500 万円のコストダウンとなります。削減したコスト を能力に応じた評価としてスタッフに還元する事ができれ ば更なるモチベーションアップも期待できます。システム 償却期間を5年間とすれば 2500 万円ものコスト削減が 実現できるのです。厳しい運営状況下で少しでも支出を 抑えたい現状なので、先々の運営のためにも貢献できる と思います。客室規模については規模が大きい方ほど 効果的で、タブレット1台で清掃員の管理ができますので、 広いリゾート型の方がその効果をより実感していただける と思います。 ―最後に今後、取り組んでいきたい開発をお聞かせく ださい。 施設全体の管理やビル設備の管理をホテルシステム と連動させていきたいです。従来のホテルのシステムで エアコンや照明の遠隔操作を可能にしたいです。お客 さまが不在のときは照明を消したり、設備の観点から必 要なときに、必要な設備が稼働させることでコストの削減、 ひいては生産性や利益率アップにつながるテクノロジー の開発で、開発側のエゴではなく宿泊施設様の運営に 貢献できる開発をし続けていきたいと思います。

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