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26 こまで精査できるかという話になりますね。 宿泊施設の多様化と民泊の課題 玉井 次に民泊についてお話を伺えればと思い ます。エアービーを始めとする新たなビジネス モデルの登場は、旅館業法はもとより、泊まる という概念までガラリと変えてしまう。この辺 についてはいかがでしょうか? 久保 民泊といっても、人それぞれ異なるイ メージがあると思うのですが、日本人の家庭が 空いている部屋を使って、日本人あるいは異文 化のお客さんを迎え、その地域を体験してもら うというのは典型的です。空室利用、空室対策 というか、不動産管理的な発想というのもある。 みなさんの頭の整理をした上で議論していく必 要があると思います。 村山 大きく捉えると観光客に対して選択肢が 増えるっていうのは良いと思っています。地域 によって5スターのホテルもあれば、ビジネス ホテル、民泊もあるというように多様性が地域 の魅力になると考えます。 玉井 個人的には地域性モデルと考えていま す。ただ、各地域社会の経済性や社会特性とい う面からも、やるのかやらないのかは地域に任 せる、国が全てをコントロールするというのは 不可能だと思います。 久保 その地域がどういう人をウェルカムだと 思うのかどうかということですね。やはり地域 のご判断だと思うんです。ただホームステイ型 民泊や農泊みたいな、ある意味で望ましい、やっ た方がいいのではという形態があまり抑制され るのもどうかと思います。スタート時点におい てあまりにもヤミ民泊等が多かったがゆえに、 地域の人に警戒されてこのようなスタートに なってしまったのではないかと思います。ホー ムステイ型民泊だとか、農泊だとかそういった ものを推進する形になっていくことは、地域に とってもプラスになると思います。 村山 選択肢が増えるのは基本的に良いと思い ますが、大手不動産会社等の参入で過剰供給に なると価格破壊含め様々な問題が発生します。 当然、地域や住民とのバランスも必要です。久 保さんのおっしゃるように民泊には農泊含め 色々あり、それぞれの良さを理解することが重 要。地域にとっても民泊は遊休資産に人を外か ら呼び込みお金に替えることができる。それが 地域の活性化に繋がる可能性もある。究極的に は地域や住民にとってその地域をどうしたいか に尽きるのではないでしょうか。 玉井 マーケティングということですね? で はどうやって切り分けていくのか? 久保 地域側でどう考えるのかということが大 切だと思います。全てを拒否してフェイドアウ トしてもいいという話ならそうした選択もある

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